模様(鶏)が先か地(卵)が先か?



                                              高野圭介

 
不景気!  
世の中、近辺のお店が一店、一店と閉まっている。
静かな中にも騒然たるおののきの無言の声が聞こえてくる。

この不景気! リターンはいつか?どのように?

本山美彦教授   
今日、2009年4月26日、本山美彦教授のお話を聞いた。

「物言えば唇寒し……の時代から抹殺の時代に入ったようです。
世界で一番孤立している国は北朝鮮ではなくて、実はわが日本です。
一国では生きていけないのに日本は本当の友達がいないのです。」

南宋の景徳鎮  
お話しを聞きながら、元に滅ぼされた南宋を思っていた。

宗は元に追いやられ、莫大な賠償金を以て、南宋として生き延びた。
その条件としての賠償金は数十年の延べ払いであった。

ところが
チャイナを宝石化させた景徳鎮という打ち出の小槌は貿易で、
莫大な利益を上げて、僅か3年で完済してしまった。

驚いたのは元国。末恐ろしと、南宋を潰滅してしまった。


戦後の日本は、景徳鎮となってしまった。


余談の後日談

南宋文化の
琴棋書画


 

南宋画で知られる高度の文化は元に叩き潰された。
琴棋書画は殆ど痕跡を残していない。

元は明の高祖に負けた後、すべての文化は水面に現れた。
しかし、そのとき、文化は様相を異にしていた。

たとえば、囲碁。
それまで、四隅に白黒2個ずつ置き合って打ち始めていたが、
その置き石はすっかり無くなり、現在のような自由のスタイルに
取って代わっていた


米隷従の果て  
「悲観論でいっぱいのアメリカは
Japan as No.1を買い漁って生き抜こうとする。

日本の国富は消尽し、対米隷従の果てに
米国の対日改造プログラムと消える未来。

いまわしさに対抗するには、とてつもなく高尚な精神が必要です。」


経済が先か
賃金か
 
アメリカ発の世界恐慌をもろに受けている
悲惨な日本で、福祉国家を旗印に、
企業経済と労働賃金のせめぎ合いがいかにも重苦しい。

賃金が高いから経済が伸びる。経済が潤うたから賃金も高くなる。
つまり、
経済が先か、賃金が先か?
これは単なる果実の分配の問題だけではない。

賃金が支えるのは経済。経済はタコ配してでも賃金を潤す義務がある。


マクルーハン


鶏は卵を産む卵だ

 
この、経済か消費か?・・・
鶏が先か卵が先か?
という論議は簡単に結論は出ない。

ところが、マクルーハンはこう言っている。

「鶏は卵を産む卵だ。」と。


模様は地を造る地だ



地は模様を
霧散させる模様だ



思いは「模様が先か地が先か?」と、碁盤の上を馳せていた。

そうだ。
「模様は地を造る地だ。」

「地は模様を霧散させる模様だ。」

人はそれを戦略・戦術といい、あるいは棋風という。
否、相手が模様なれば、当方は地に付く。 思うに任せない点もある。
しかも全体のバランスの中に一貫性を要求される。

いよいよ二律背反の囲碁哲学を貫くには
とてつもなく高尚な精神が必要。」と。