おっとどっこい  オノマトペ


onomatope



                                           高野圭介

オノマトペとは
 オノマトペはフランス語のonomatopeである。

 ものの音や声などをまねた擬声語(ざあざあ、じょきじょきなど)、
あるいは状態などをまねた擬態語(てきぱき、きらきらなど)をさすことばです。

 文法上は擬音語・擬態語のことです。日本語では擬音語と擬態語を
合わせて「擬声語」と呼ぶことがありこれがオノマトペにあたります。


日本語の

オノマトペ



 日本語はオノマトペに富む言語だと言われています。



<音の爆弾>とも称されるオノマトペがわたしたちの脳に働きかける
“ドキッ”とするような不思議な力。そして、複雑化する社会のなかで、
自分が感じている思いを表現するコトバが圧倒的に足りない
と感じている人たちの姿でありました。

世界でも希に見るオノマトペ大国日本なのであります。

【びしょびしょ・めきめき・どきどき・ころころ・がたんごとん・びりびり・
わんわん・もやもや・ひそひそ・ばしゃばしゃ・ちょろちょろ・
ドキューン・しとしと】などです。


犬の鳴き声

オノマトペ





 《 言語別 》

 世界各国の言葉もオノマトペに満ちているはずと、
国別犬の鳴き声を当たってみた。
やはり犬の鳴き声は、国によってだいぶ違うようです。

  《 言語別 》
英語         bow-wow (バウワウ)
フランス語     ouah-ouah (ウワウワ)
イタリア語      bau-bau (バウバウ)
スペイン語    jau-jau (ジャウジャウ)
ドイツ語       haff-haff (ハフハフ)
ロシア語        gaf-gaf (ガフガフ)
中国語         wu-wu (ウーウー)
日本語        wan-wan (ワンワン)

 《 地域別 》
  《 地域別 》
オランダ     (ワフワフ)
フィンランド   (ハウハウ)
アイスランド   (ハブハブ)
ポルトガル    (アウアウ)
インドネシア   (ゴンゴン)
韓国       (モンモン)

これは口、のど、あごなどの発声の機構、それに伴う耳の訓練
などから同じ犬の声にも違いが生じるのではないかと思う。


囲碁の

オノマトペ




 
梶原武雄の
囲碁新語

梶原節


碁の研究会や
テレビの解説で
発言した数々の
新語を創作し
碁界に蔓延。

長い説明を省い
た略語が多い。

 

オワ - 既に終わっているの意、
序盤早々で優劣が着いたとされる時に使う

アタタタ - 頭を叩くの意。「二目の頭見ずハネよ」と言われる
ように、石の伸びる方向を止められることの痛さも含んでいる。

カルサバ - 軽く捌く
ゲイコマ - 芸が細かい
スデコマ - すでに細かい、コミ碁の黒番では意に沿わない含み。
スデオワ、スデマケもある。
ヌル - ぬるい(緩い)
ムズ - 難しい局面
ベラデカ - べらぼうに大きい(でかい)、
部分的に不利な形でも先手を取って大所に回る
大局観を示す時に使う

ニッピラ - 二間開き
ニイトビ - 二間トビ
ヨロステ - 喜んで捨てる

外回り(外回り山手線) -
隅や辺の地を相手に与え、中央に石を向けた形


囲碁の

オノマトペ




 《 術語別 》
囲碁の上に現れているオノマトペは
どういうのがあるのか見てみましょう。

《 術語別 》
トントン・・・追い落とし
ウッチャン・・・ウッテガエ
アタコのたんご・・アタリアタリ(高野作)
プッチンプリン・プッチン・・・プチッとキル( 注:高野作)
ハネクリマイテ、クリマイテ・・・ハネハネ二段バネ( 高野作)

《 着手別 》 
《 着手別 》
バッサリ・・・切られる
グイ・・・とノビキル
ガチッ・・・とツグ
カチン・・・とアテコム
ふわー・・・とした軽い手
ガッチリ・・・(ハメ手に)ハメられた

《 状況別 》 
《 状況別 》
コマコマちゃん・・・困ってしもうた( 高野作)
コテンコテン・・・にやられてしもた
ガチャガチャ・・・にされた
マタイ伝・トロイ伝・アカン伝・ノソイ伝( 高野作)