ピカソ・シュールの世界

                                                   高野圭介

 反戦画・ゲルニカ
 私のパソコンを見つめて20年、ピカソのゲルニカ(guernica)陶板が掛かっている。
 かって、バルセロナのピカソ美術館で購入したものだ。

防弾硝子に填め込まれて展示されていたゲルニカに出会った。
ゲルニカはヘミングウエィも参戦した「スペイン内戦」の反戦陶板である。

 終戦後、1950年代の絵画の世界で、
日本人の関心を集めた画家はピカソ・マチスであった。


 

絵画の歴史 
 絵画の歴史を探ってみる。

 14世紀以降、西洋近代を告げるルネサンスにおいては自然回帰運動が起き、
やがて写実性を求める動きが次第に強まり、19世紀中頃に写実主義が定着した。

19世紀後半からは写実主義が衰え、
印象主義を経て抽象主義などのモダニズムに至る変革が起きた。

 ここにシュルリアリズムの世界が展開される。


 ピカソ・
天才の秘密




1957年に映画「ピカソ・天才の秘密」が公開され、
好奇心の強かった私はこの映画に釘付けされた。

ピカソが白いスクリーンにマジック・インクでデッサンし、
絵画を完成させて行く様子を、
その裏側からカメラで写し取る方法で撮影されていた。

白いカンバスに次々と描き出される多数のスケッチに始まった。

闘牛の場面から、
闘牛士の剣に牛が刺され、真っ赤な鮮血がキャンバスを覆い、
それから、シュールの世界へ入っていった。

ピカソ独特の奇抜な構図とあいまって壮大な迫力で迫って来た。
そのような、大まかな記憶がある。


これによって彼の絵画の制作過程を、リアルタイムで、つぶさに見ることができた。
そして、
シッカリしたデッサンがあってこそのピカソのピカソであった。
やはりピカソは天才なのだということを納得した。

 囲碁デッサン力
絵画でも、シュールの世界がいかにも草書の世界に見えるとは言え、
根幹に纏わるデッサンの裏付けがあっての話なのだ。



今、私は改めて、自分の囲碁デッサン力の不明を思う。

師匠・家田隆二八段の一瞬に読み取る石の筋と形。隠れた石の味。
当然と言えば当然だが、指導碁で、その片鱗にでも触れられる悦びがある。

草書の碁
 碁の上手下手には根幹に関するところと、テクニックの部分とがある。



根幹とは、石の生死。一般に「詰碁」のジャンルである。

因みに、プロとは、どんな詰碁でも時間を掛けたら、解けない詰碁は無い,と言われる。
問題はその速さで、トッププロの眼力は凄く、時間が違う。

アマである私自身、大いに反省させられるところなのだが、

アマは見よう見真似の、浅いヨミの、、
草書の碁を打っていて、哀しいかな
依って立つところの
根幹・詰碁を避けているところに問題が凝縮されているのでは。