プアーとリッチ

                                               高野圭介

格付け会社 
格付け会社に、
Standard & Poor's という会社がある。

主たる仕事は、
格付け情報、格付けについての解説。信用分析を利用したサービスの案内。
等々であり、円高など経済のキャスチングボートをもつなど、
相当な権威を持っている。

Rich & Poor's
面白いのは「並と貧」で、
Rich & Poor's でないことである。

つまり、
リッチは評価外ということだろうか。現に、プアーの下限はゼロまでだが、
リッチの上限は無い。天井が底なしの青天井であっても、
時というものが解決してくれて、いつまでもでは無い。
いつの日か並みのスタンダードに下がってくることもある。

リッチ金と清貧   
リッチ則金則経済で言うならば、昨今、JALが再上場した。
旧JALで泣かされた人もあれば、新JALで胸を膨らませている人もいる。

一方、政治家でも「清貧に甘んじる」として、金銭に恬淡としている人もいれば、
政治家自体ををオイシイ職業として、鵜の目鷹の目で
金蔓を探しているように見える人もいるようだ。

とは言え、何よりもものを言うのは金だ。金のために命を売ります。
そんなことがある訳無いと思うが、それがあるんだなぁ。
収賄罪で見ると、日本では比較的甘い処分で済む法律だが、
中国では年に3000人もの収賄罪者が死刑になるという。

何に対してリッチか?  
 リッチ:Richでも、
何に対してリッチか?が問題である。
時間にリッチ、智にリッチなどなど。

 今、医者といえば、地方の所得番付の上位には医者の名前がずらりと並ぶ。
医は仁術かと思ったら、医は金にリッチの忍術忍者か、と言う人も居た。



又、
その人は、医者は刻を切り刻む労働者だから、時間に対してはリッチとは言えない。
とも付け加えて、自分なりに納得しいるのだろう。

合点していても寒いぞ貧しいぞ   小林一茶

 クルクルパー  
 リッチは自分の届かぬ世界で分かりにくいが、
プアーは無いのだから身近で分かり易い。

 でも、プアー:Poorは金が無いことだけじゃ無いんだ。
頭がプアーは頭の中がカラッぽっぽ。

「ペケ」は「不可」。「ノーテンファイラー」は「クルクルパー」のこと。
自分が子どもの頃、頭が毀れていることを言ったものだ。
そのパーはプアーか。

また、「ノーテンファイラー」は中国語で「脳天壊了」で、
やはり頭が毀れていることそのものだった。

 癌の告知

 
ところで、熟知していて(リッチ)も、
使わなかったら知らなかった(プアー)ことになる。

例えば、癌の告知問題。医者は知っていても、
本人に告げることは悪とされ、これが社会問題となった。

昨今ではほとんど改善されて「あなたは癌ですよ」と
素直に平気で告知することになっている。

自分のものに
出来ない
poor
 
 碁の場合、知っているつもりが、ちょっと形が変わったり、
タイミングがずれて、蚊帳の外に置かれたりする。

つまり、知っていても使わなかった場合、知らなかったのと同義となる。

 そうでなくとも、相手に巧みに封じ込められて、
知っていることを宝の持ち腐れとしてしまうこともある。



 少々学習してリッチになっていても、周りのことも
自分のものに出来ていなかったら、それが poor なのだ。


もう投げなさい  
心の貧しさ、心の豊さ

分かっているけど、自分に対してが本当で、
人に対する思いやりがきっと、気分に返ってくるものだからこそ、
実感として、良い社会を築くためにも、先ずは良い言葉が大切だ。

分かっていても言えないこと。言っちゃいけないこと。
それは「もう投げなさい」ということだ。

 驚くなかれ、
政界では、野田総理に対し「早く投げなさい」と平気で言っている。
その点、碁の世界は奥ゆかしいなぁ。