戦争ゲーム?包囲ゲーム? 高野圭介 |
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戦争論文 | 田母神俊雄前航空幕僚長の論文 「日本は侵略国家であったのか」が物議を醸している。 要旨は アメリカ合衆国軍隊は日米安全保障条約により 日本国内に駐留している。 これをアメリカによる日本侵略とは言わない。 我が国は戦前中国大陸や朝鮮半島を侵略したと言われるが、 実は日本軍のこれらの国に対する駐留も条約に基づいたものである。 つまり、太平洋戦争は決して侵略ではなかった。 |
司馬史観 | 同じ戦争でも、見方によってずいぶん変わる。 司馬遼太郎は言う 。 太平洋戦争は1941年に始まりましたが、 日本の軍隊がやったことは 南方その他の島々に兵力を分散することでした。 そして敵が来るのを待つ。 最初はパールハーバーで、アクロバットをやって、 拡がった島々が、一つずつ潰されていった。 それから、末期になると、特攻隊の体当たり。 戦争というものは、お互いにやったりやられたりして戦う。 しかし、 この大戦は海戦らしい海戦もなく、陸戦らしい陸戦もなかった。 日本は桁違いに強い相手にやられ放しで、 戦争の形を成していなかった。 つまり、たいへんに変なものだった。 『昭和という国家』司馬遼太郎著より |
戦争ゲーム | さて「戦争ゲーム」というものがある。 盤上ゲームの権威・増川宏一はゲームを5つに分類している。 1.競争ゲーム。2.配列ゲーム。3.戦争ゲーム。 4.包囲ゲーム。5.マンカラ・ゲーム。 代表的なものとして、戦争ゲームは将棋。包囲ゲームは囲碁。 ここに、囲碁について、 「囲碁はごく単純な包囲ゲームから発展したと 考えることは決して無理はない」と言っている。 『盤上遊技』増川宏一著より |
包囲ゲーム | 確かに、囲碁は包囲だけでは勝てない。 二面性があって、正体は掴めない。 先ずは包囲に始まって、 戦争が包囲に優先する進行が見られることだ。 碁は調和の取れた石立もなく、バラバラ状態では戦う前に敗勢濃厚だ。 連絡を絶たれ、孤立した石が個別に潰されていく。 相手と互角に戦えなくて、ゲームが成立しているだろうか? ヘボ碁の見本を太平洋戦争に見た。 |