スポーツ立国と囲碁の正課

                                         高野圭介


衝撃のオーストラリア
 
 オーストラリア国立スポーツ研究所:Australian Institute of Sport、
略称:AIS)は、オーストラリアのスポーツ振興に大いに寄与している。

創設の背景と成果 を見ると、そもそもは、1976年に開催された
モントリオールオリンピックで
オーストラリアは金メダルをひとつも獲得できなかった

(金メダル0個、銀メダル1個、銅メダル4個、計5個)ことに端を発する。

 この事実に衝撃を受けたオーストラリア政府の主導によって、
フィジカル・メンタル両面を科学的に研究し、トップアスリートの
発掘・育成を目的とする機関AISが1981年に創設された。

AISの能力の高さ

 
 2000年にシドニーでのオリンピック開催が決定すると、
シドニーオリンピックのメダル獲得に照準を合わせてプログラムを組み
イアン・ソープをはじめとするAISでトレーニングを施された選手達が活躍。

金メダル16個、銀メダル25個、銅メダル17個、計58個のメダルを獲得した。
 この数字はアメリカ、ロシア、中国に次ぐ驚異的な数字で、
スポーツ大国の面目を回復すると共にAISの能力の高さを世界に示した。

裾野の拡大
 
 2004年開催のアテネオリンピックにおいても
金メダル17個、銀メダル16個、銅メダル16個、計49個のメダルを獲得し、
再び第4位のメダル獲得数を誇っている。

 国のやり方として、参加者の増加という底辺を広げることから始まる。
この裾野の拡大は自ずと頂点を高めることに繋がるというのだ。


日本のスポーツ


日本も同様のことをやっているが、中身は全く緩い。
「次に東京オリンピックが実現しても、日本は手の打ちようがない」
玉木正之スポーツライターは喝破する。

日本の囲碁
 ここで「囲碁の発展のために、囲碁を小学校の正課としたい」と
手を挙げて「囲碁立国」
を提唱している人が居る。水口藤雄その人だ。



 今や、中国・韓国に大きく水を空けられ、世界各国の趨勢からして、
将来的にも暗雲の垂れ込める日本囲碁界に
警鐘を鳴らし続けておられるのである。
諸賢、如何と為す。