宇宙の渚のスプライト

・・・
spriteは妖精のこと・・

                                                  高野圭介

謎の発光体
私がサンフランシスコの碁の友人・マーク・オカダを訪ねて行った。

ロスアンジェルスへ向かう飛行機の窓から見た光景は、
遙か彼方の水平線ならぬ空平線の上は真っ黒の宇宙色。下は明るくなりかけた地球色。
 その時、突然に現れた一つの謎の発光体を英語で綴っている。

それはホームステイしたロイド博士の奥さま:ナンシーのタイプで打って貰ったものだが、
今なお、手元に残っているのが嬉しい。

「It is maybe five o'clock. I look at splendid sunlight:that is far east devil of a sea.
It appears colors of red and scarlet, yellow, green, blue and dark copper sky.
It maybe aurora or raibow sky--raibow, I think. And that is very longtime for me.」

「The Redwood Memories in Paradise.」
Keisuke Kono 13thSeptmber 1975.
typed by Nancy Saxton)

cf:ウオーターとバター

cf:スカンピンがskimpy


  sprite

閃光のような光り
 この話を当時、ロッキードのサテライト・エンジニヤーである Jean Pishel に話すと、
「私も暗黒の空に、閃光のような光りを見たことがあるが、その正体は未だ知らない」と言う。

 この話はそのままになっていた。
そして、40年近くなった昨夜、「宇宙のなぎさ」がNHKで放映された。

 今回のNHKのニュースによれば、
ある飛行機のパイロットによって密かに目撃されてきた謎の閃光があって、
雷雲から宇宙に向かって放たれる稲妻のように見えたと言うことだ。

私の体験も含めた三つの証言は、spriteそのものであったのではと、思った。

 「宇宙の渚」  
 更に、NHKでは「宇宙の渚」を詳説する。

 青い空が漆黒の宇宙へと変わる、高度十数キロ〜数百キロ。
そこに、“宇宙でも地球でもない世界”がある。


流星が飛び交い、オーロラが輝くその場所を、「宇宙の渚」と名付けよう。
「渚を介して宇宙と地球は連続的につながっている」という新たな認識である。


 

スプライト、ジェット、エルブスの想像図(提供:東北大学福西研究室)

スペクタクルを 
 1961年、人類初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンが「地球は青かった」と言った時から、
私たちは地球を“宇宙から隔絶された要塞”のように捉えてきた。あれから50年。

地球が宇宙との間で絶えず様々な物をやりとりしていて、
それがオーロラや流星といったスペクタクルを起こしていることが明らかになってきた。

地球と宇宙の境目は、コンクリートの堤防ではなく、
多くのものがゆるやかに行き来する、まさに「渚」だったのだ。




“妖精”の正体 
 昨今、古川聡宇宙飛行士は、ラモーン宇宙飛行士の遺志を継ぎ、
宇宙の渚のスプライトの撮影に成功して
謎に包まれた“妖精”の正体をついに解き明かしました。