力を抜いて スポーツで最も大切なことは「力を抜く」ことである。肩から力を抜いて、力まないで、自然体で動く。 高野圭介 |
|
泳ぐとき 力を抜いて 水と仲良くする |
例えば、プールで泳ぐとき、それがクロールであれ、バックであれ、 身体が水に浮かぶのが前提で、ゆっくり浮かんでいると泳ぎやすい。 そのためには全身が力んでいないことだ。 力を抜くというのはスポーツ全般に当て嵌まることだ。 教室に入らないで、時折、インストラクターに質問をした。 「呼吸が充分取れていないように思う。」と。 佐々木真理子インストラクターは即座に言った。 「手を伸ばしながら、今より早く息を吸うことだ。」 これが、すべての始まりだった。 |
泳ぐとき、体重を前に掛けて、肩から指先までグンと伸ばし、 50㎝前の水を取りに行く。掴んだ水はそのまま逃がさないで、 身体の前から後ろへ引っ張ってくる。」と指導を受けた。 すると、 手、腕、胸のラインが船底のようになって、水中を滑っていくではないか。 しっかり水を掴んで、早く泳げるようになるのだろうか? まだまだいろんな発見が楽しいプールだ。 |
|
古式泳法の師範代・梅本和枝師範から 「水と仲良くすること」という公案を戴いた。 本日、水に馴染んでとか、水の柔らかさなどを感じながら泳いでいると、 いつも身体にピタッと密着している水の衣を着ているように思えてきてきた。 力まない全身は大きなストロークと覚え立てのターンで、何と、、、 50㍍・・・75㍍・・・100㍍と、休まず泳げるではないか!驚いた。 それから半月。全身から力を抜いてゆっくり泳いでいると、 インストラクターが「あなたの泳ぎはゆっくりしていて最高!」 聞けば、早くは泳げても、ゆっくり泳ぎは難しいのだそうだ。 それから、半月で泳ぎは変わった。 100㍍から年末には300㍍を達成できた。 当面、全身のバランスを注視との指示を受けた。 きっと、今からまだまだ変わっていくのだろうなとも思った。 |
|
太極拳の呼吸 腹式呼吸 と 踵から息を吸うて |
ふと、思い出した。 太極拳の佐藤靖子師範が指導する呼吸法に 「足の先から息を吸うて、おへそから肺に吸い上げる。 息を吐くときは口からと同時に、へそから下へ、足の先からフーと吐く」 (荘子のいう真人の呼吸法) 全身から力を抜く呼吸を学んだのを思い出した。 昨今、その出典を見付けた。 |
腹式呼吸は背筋を伸ばして、鼻からゆっくり息を吸い込みます。 このとき、丹田に空気を貯めていくイメージでおなかをふくらませます。 つぎに、口からゆっくり息を吐き出します。お腹をへこましながら、 体の中の悪いものをすべて出しきるように、そして、吸うときの倍くらいの 時間をかけるつもりで吐くのがポイントです。 回数は1日5回くらいから始め、慣れたら10~20回が基本ですが、 その日の体調に合わせて、無理なく楽しみながらやりましょう。 |
|
真人の息は踵を以てし、衆人の息は喉で以てす 荘子 普通の人は鼻から呼吸をして浅い。 しかし、道理をわきまえた人は踵から吸うて、息を全身にいき渡らせる。 こうして、からだに力みが無く、リラックスしてくる。 |
|
テニス・ゴルフも 力を抜いて |
ゴルフでもテニスでも、身体を柔らかくして、ボールに向かう。 タイミングさえ合えば、最高のショットになる。 碁でも、肩の力を抜いて打て!という。力を出さないのではなくて、 堅くならないで,平常心のままで打とうということだ。 |
碁でも同じく 三堀 将 |
ある初夏の朝、眼がくらっくらと回った。ようやく沈静化した。 その後、体調を気にしながら、盤にのめり込まない碁に変え、 高川平明流のようにさらさらと打つ棋風に変身しようとした。 どうだろう。碁風の変化で、見違えるような綺麗な碁になって、 肩の力が抜け、眼と時間を使わぬ碁風に仏拭された。 「囲碁」第33巻8号p.12より |
力を入れて | 力山を抜くというのは。力山を抜き気は世を蓋う。 (抜山蓋世) 項羽が垓下で漢軍に包囲され、四面楚歌の声を聞いてうたった詩の一節だが、 力は山を引き抜くほど強く、意気は世をおおい尽くすほど盛んである。 これは、英雄の勇壮な気概をいったもので、力を入れる方で、逆も真なりだ。 |