「虎の口」

2010年は寅年

                                                    高野圭介

          
太極拳の 『虎の口』
朝の太極拳のとき、佐藤靖子師範が
「大事な手の形に『虎の口』があります」と手の形を作って見せた


エッと思った。

        
 碁の術語『虎の口』
碁の姿に、韓国・中国共に『虎の口』という形があって、逃してはいけない形の急所。
韓国・中国共に「hekou」と発音される。

同じ形を日本の碁の術語では『虎の口』とは言わずに、同じ形でも向きとか場所によっては、
カケツギ、ラッパツギ、フクレとか言われている好形だ。

因みに、「割り打ち」という日本の術語は、中国にはないのが面白い。
「真ん中に打って、あっち打てば、こっち打つ」と、長ったらしい。


 ローマの「真実の口」


『虎口』は一般に、きわめて難儀などのたとえで、「虎口」は又、
非常に危険な場所や場合のたとえでもある。

ローマの「真実の口」はオードリーの「ローマの休日」の名場面だった。
ここも虎の口” Mouth of a tiger in Rome”と訳される。

 
碁で、虎の口に石を入れたら、即ポンヌキという危険なところ。
碁でなくても『虎の口へ手を入れる』とは無謀極まる行動に出るたとえだ。


シンガポールの「マーライオン」 は虎ではないが・・・

cf「マーライオンの叫び」 
シンガポールでのプロとの一局

シンガポールの「マーライオン」はとめどなく真実の水を吐いている。

 「虎児を得ず」
「虎穴に入らずんば虎児を得ず」なんて、そりゃ無茶じゃ。

けれども、千万人といえども我行かんの気概をもって碁盤の前に坐ろうではないか。