「虫の目」「鳥の目」「魚の目」

                                             高野圭介





「虫の目」











「鳥の目」











「魚の目」





 物事をどのように「見るか」ということに関して
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」のような表現がある。



「虫の目」は複眼です。
つまり「近づいて」さまざまな角度から物事を 見るということです。
近視眼的というマイナス面はあるが、
現場で五感を働かしながら直面する問題を解決していく。



「鳥の目」
とは、高い位置から「俯瞰的に全体を見回して」見るということです。
広範囲に亘って、高い所から俯瞰している。全体感を持ち、
根本的な課題を発見して、問題意識を持つ。



「魚の目」
とは、潮の流れや干潮満潮という「流れ」を見失うなという意味です。
世の中の流れを感じ取り、未来を察知する。長期的視野で物事を見るため、
時間的・空間的により広く決断できる。


産業界での

バイブル


 
 すなわち
歴史の流れの中で、未来を観て、現在を見て、また逆に現在を確認しつつ、
未来を観ることを繰り返して決定する。



このようなものの見方はいろんな業界・経済界、商業界を初め、
兵站・物流・logistic の産業界でのバイブルとも聞いた。

 目線のこと  
 その昔、殿様や代官様が庶民の目線で見て欲しいなどと陳情したりしましたね。

卑近な話ですが、高下駄を履いて視界が開けて、自分が大きくなったような気になった。
今でも、猫背から背筋を伸ばすと、見えなかったものが見えてくる。

 ましてや鳥、虫、魚それぞれの目は見るもの、観るもの、看るものが違ってくる。

 囲碁の視点  


 もちろんゲームの世界でもそのまま当てはまる。囲碁だって、見方はいろいろだ。

 小林光一が盤碁のさ中、わざわざ紙切れの棋譜を
縦にし、横にして視点を変えて看るのだろう。

 だいたい対局者が一番良くヨンでいるというのに、なぜ傍目八目などと言って、
傍の観戦者が更に良いところを見付けると言うのだろう。
見る目が冷静というのだろうか。

 対局中の姿勢だけでも違う。
盤の局部、全面、手どころ、先手必争の急所等一手一手に
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」の視点を置いてヨミを深めていかねばならない。

一目惚れ
 10秒碁など、一目で一瞬の感(ヨミ)が働き、
寸鉄人を刺すように一局を制してしまう。凄い!



一目惚れというのがある。一見してその人の資質を見抜き、
ぞっこん好きになってしまう。嗚呼、若かりし頃の情熱は今いずこ。