粒ぞろい


                                              高野圭介

 須磨の砂浜
須磨浜の一昔の話です。

須磨の浜は今のよりずーっと狭くて白砂青松そのままに、
真っ白な砂が敷き詰められていたそうです。

戦前はその中央部の広大な部分が住友本家の別荘として独占され、
地元の人達は東の端、西の端から浜辺に出ていたと言います。
戦後、財閥解体と同時に、神戸市に移行され、自由な浜となった。

その頃、砂浜の砂は波に洗われて角が取れて丸かった。
素足で歩いても痛くない。今はと言うと他所から移された角のある砂で、
痛くて素足では歩けない。昔は丸い砂石という粒が揃っていたわけだ。



 粒が揃う
慣用句に「粒が揃う」とあります。集まっているものの質が均等である。

特に、優れた人や良い物など、質の高いものが揃っているときに使う。
集まった人々の能力や質がそろっていて、見劣りするものがいないこと。

粒ぞろいの精鋭と言ったり、英語では
uniform excellence。

 レベルアップ
ゴルフをしていて、どうもパターが上手くいかない。
いろいろ考えていると、パターだけ上手く打てるということはない。
他のクラブも同様に突出して上手くも下手にでもならない。
ヘタなりに固まる干し柿ではないが、すべからくすべての
ショットの平均値から脱していないのを知った。

粒ぞろいのためには矢張り全体のレベルアップが要求されるわけだ。



碁の世界でも 
碁の世界でも同じで、
布石だけ上手いとか、ヨセだけプロ級などというのではなく、
戦いもヨセも付いてくるものだ。

仮に「突出して**が上手い」と言っても、
各箇所が粒ぞろいに精錬され、それが全体のレベルアップとなろう。

因みに、碁吉会は粒ぞろいだ。
碁はともかくも、お人柄では誇るべきメンバーが揃っている。




 粒ぞろいの

囲碁大国


今の囲碁界では世界のグレードは東洋三国に集中しているが、
世界のどの国とは言わない。一人の突出した天才が生まれたら、
その国の囲碁愛好者がとんでもないグレードにアップされる。

たちまち
ピカピカに磨き上げられた粒ぞろいの囲碁大国として闊歩していくだろう。