天才宇太郎の殿堂入り

宇太郎先生の快挙は遅すぎた感さえある。

                                         高野圭介

 


宇太郎先生には親しく薫陶を戴いたものである。・・・「宍粟の碁」P.183より

 


 


 



もう40年も前の話


神戸新聞社が創立八十周年記念行事として、
囲碁使節団を中国に送り込んだ。

その団員として私も参加したが、最高顧問として
宇太郎先生が鈴子奥様同伴で来られていました。

帰国してから、先生の格別のお引き回しを得て、
棋道、人生のご指導に与ったものである。


ある日、赤穂の貴和荘で会食しました。
席上、二つの快事があった。

宇太郎先生から
「橋本宇太郎全集」全六巻を贈られた

何とこの全集、宇太郎先生の署名入りだが、
初版第一刷発行・・・とある。


更にもう一つは、布の碁盤である。

            高野圭介




 



布の碁盤について

                    高野圭介

「布の碁盤」の作成に当たって、嬉しい言葉
「私が中国で初めて呉清源さんと打ったときは
白の布の碁盤でした。星の印は五つしかなく、
なかなか味のあるものでした。」

その話を元に創作しました布の碁盤が、やがて、
東レ、エクセーヌの碁盤として
世に出ることになりました。

東レさんと共同特許のこの碁盤は
碁吉会創立二十周年記念囲碁大会の席上、
坂井秀至他二十数名のプロの先生方から
ご参会戴いた百数十名の客員棋士に
プレゼントさせてただきました

 
史上打ち碁の中で、下記の碁が私の一番好きな碁である。
才気煥発・天才・宇太郎先生の発想に、私の心まで躍動してくる。

梨本宇太郎全集 第三巻 p.251 より

 
五目勝ち 橋本宇太郎 八段 vs 互先 先番 呉 清源

読売新聞主催 呉・橋本打込十番碁第一局

160手以下略  昭和21年8月 於東京世田谷区 若尾氏邸