わたくし流

                                                  高野圭介

わたくし流の字
佐藤靖子太極拳師範から
それはそれは美しい年賀状を頂いた。


一枚一枚手書きだそうだが、一筆で書いた牛も、
配色が素敵で、お絵かきの塾の先生の指導によるとのこと。

添え書きを
「わたくし流の字で書きなさい」と先生が指導されたと聞いた。


似て非なる?
わたくし流・・・って、
個性豊かのことか?我流のことか?
あるいは、はみ出た規格外のこと? ちょっと考えた。

いったいその、個性と我流とは似て非なる?

個性豊か、とは言っても、我流豊かとは言わない。
個性がにじみ出るといっても、我流に凝り固まると言う。


個性と我流
囲碁でも、「小林流」「武宮宇宙流」「高川平明流」と、
棋風の個性が讃えられる。

我流ではせいぜい「アマチュア放れ」「西村流」とか、
一派を成すごく僅かしかない。
でも「わたくし流」はそこら中ぞろぞろにある。

新聞に記載
新聞に記載すると、プロの碁は10譜でも、20譜でも
分けて記載出来、いつまで見ていても飽きない!

アマの碁は3譜が限度で、4譜以上に分けたら、
鑑賞に値しないことになるからだ。

強烈な個性
碁を勉強しても、
あれも削られ、これも丸められ、個性を涵養する場がない。

なんとか、突出したところを前面に出せる碁が打てない。
これに反抗して、初夢でも良い、
強烈な個性とハイセンスに満ちた碁を打ちたい!

わたくし流奥義
正月が過ぎたら、いよいよ柿が姿を消した。
代わりに出てきた吊し柿。

これこそ、へた成りに固まっている個性が際立つ
わたくし流奥義と見えた。