アッと言う間・ちょっとの間

                                                  高野圭介


 イチローがどでかいことをやった。
 アメリカのオールスター戦で、燃えに燃えて、ホームランをかっ飛ばした。
何でも、オールスター戦では史上初のランニングホームランだそうだ。



 イチローはオールスター戦出場に際して、こう言っていた。
「念願の
オールスター戦も、アッと言う間に終わってしまうから」

この瞬間のチャンスに、
イチロー・フィーバーを巻き起こした。


何も、特別の時だけではない。

 テニスのとき、藤原章子さんが自分に言い聞かせながら鼓舞している。
仲間も感動せずにおられない。



「幾ら練習といっても、ええ加減なことをやっていたら、
アッと言う間に終わってしまうから」と、


井原さんと碁を打っていた。

 ひょんなことから、急になり、形勢は一気に傾き、
アッと言う間に終わってしまった。

 なんちゅうこっちゃ!と、調べたら、あるある・・・やはり、伏線というものが潜んでいたのだ。
アッという間ではなくて、ずーっと気がつかなかっただけだった。

「いやいや
、アッとじゃなくても、もうちょっとの間やで、われわれも」
「ほんまやなぁ」と、顔を見合わせたものだ。