バイキングの掟

                                  高野圭介記

 ベンゲルへの途中の駅で、石の楯に「かくあるべし」というバイキングの掟がある。
バイキングの秘密に触れて感激した

 

「バイキングの掟十箇条」


 可能性を探す


 勝利者を育てる


常に勇気を持つ 


 助言を与える

 
 肯定的に考える

六 
責任を取る

 
前向きに取り組む

 八
 教育と研究にかける

 九  
人を羨ましがらず、怠惰を避ける

 十  
今すぐ始める


 

バイキング巡り
あの幻想的なオーロラ。
これが南北両極に同時に表れるという。

なんでも、太陽風の地球圏でのなせる業で、
地球磁力のエネルギーとの関係から起こる火花のような
カーテンの乱舞とテレビで報じられた。

奈良の友人たちはこの世のものと思えぬ現象に魅せられて、
オーロラ詣りに、カナダ、ノールウェイに頻繁に出掛けている。

私もデンマークからノールウェー、スェーデン、フィンランドへと
いわゆる北欧諸国を巡ったのだが、
それはいわばバイキング巡りだった。


バイキング

遠征の歴史


バイキング、遠征の歴史は強烈で、
9世紀から11世紀にかけて、長さ100メートルの船を駆使して、まずは
アイスランド、グリーンランドに根を下ろした。アメリカにも足跡を残している。

フランスではノルマンディの地を得、
ノルマンディ王国を樹立した。
やがてイギリスに上陸し、デーン人としてイギリスを牛耳った。
1066年、英国国王となる。
これはあえてアーサー王伝説さえ生じさせたものだ。

イタリアではシチリア王国を建て、
11世紀から13世紀に亘る十字軍の先鞭を切った。
また、ロシアではノボゴルド公国を建てた。

大きく、強いバイキング
バイキングとなって、このような途方もない足跡を
地球上に残していった人々の秘密は
彼の地を踏んでみて、初めて分かった。

とにかく、大きく、強い人である。男も女も背が高くて大きい。
俳優でも大きくて、ハンサムでなければ主役になれない。
ノールウェイのジャンプ団・・・きっと大男に違いないと思った。


 「大きいことは良いことだ」と言った山本直純も、
大きかったらいい、と簡単にいうべきものではない。

「大男総身に知恵が回りかね」と言われかねないが、
「小男総身の知恵も知れたもの」と反論すればいい。
でもやはり、バイキングいなければ。


 

この時の旅も面白いことはいろいろあって、笑いの連続だった。

1.
ビールに strong と lite の二種類があって、
私はストロング、別の人がライトを注文した。

ライトはアルコールが入っているかいないかが問題になった。
それはアルコールの少ないのでは なく、無いビールであった。

2.
写真を撮って貰った。構図を決めてからカメラを渡した。

逆光だったので、「バックはいいですか?」と聞いたら
「バックはいいですが、顔が駄目ですね」と返ってきた。

すかさず奥さんが「あなた、自分の顔が見えるの?」

3.
ある夕食時、ウエートレスが髪にお洒落をしていた。
ある人が褒めて、hair,hairと言いかけ・・・、「antano hair...」と言った。

私には「under hair...」と聞こえたので、笑ってしまった。
聞けば「あんたの」と言ったと言うので,「ダァ・・・」
まさか外人に anta でもあるまいに・・・

4.
 リムジン、キヨスクの語源を語り合った。
意味が分からないまま、お預けになった。

5.
旅行の間、森と湖に囲まれて・・・と口ずさみ、
Greig の Peer Gynt :ソルベージの歌(Solvejg's Lied)
メロディの中に心を休ませていた。

6.
ハムレットの城へ行った。
コペンハーゲン東北の郊外、エルシアノ街にクロンボー城という冠塞城がある。


シェイクスピア(Shakespeare William)は1600年頃この記録を基に、
Amleth 王子を Hamlets 王子とし、
オフェリアとのならぬ恋にto be or not to be と悩む姿を描いた。

オフェリアが清流に身を投じた薄衣の舞台衣装が陳列されていた。
そのオフェリアの鈴を土産に買った。

 
オフェリアの泪涸らすや秋の汐    圭介