遠交近攻の策

                                      高野圭介

日・米・豪
アメリカのチェイニー米副大統領が来日し、
アジア太平洋地域で「最も信頼する同盟国」と位置づける日豪を訪問することで、
日米豪3か国の連携を強めようとしていると報じられた。

遠交近攻の策
それは、ブッシュ米大統領と小泉前首相が築き上げた信頼関係を
維持していく姿勢を印象づけたい視する姿勢の表れだけだろうか。

六ヵ国会議で、何となく仲間から疎外感が感じられる安倍内閣の取るべき道。
なるほどこれが、遠交近攻の策か、と思った。



遠方の国と
親しく


さて、『遠交近攻』とは中国の戦国時代に范雎(はんしょ)が唱えた戦略である。

遠方の国と親しくして、近い国を攻め取る外交戦略で、
近隣の諸国は、遠くにいる本当の敵に対するより、
隣人に対する憎しみの方こそ日常的だったのである。

その感情を秦は巧みについてついには同盟諸国をも滅ぼし
大中国を統一したのである。

盤上に出現
目を瞑って、つらつら思うに、

碁の大模様作戦の成功に導く手だては、
如何に遠交近攻の策を盤上に出現させるかにある。

 目下戦いの最中、盤の遙か彼方の彼我の力関係が
遠交の仲間となるかどうかが、成否の鍵を握っている。

 と同時に、近攻のための、弱い國(石)が手つかずで
存在していなければ意味がないのだが。