秀紳の短気の一手がすべてを失った





3連敗後の4連勝という大逆転
                                        高野圭介

タイトル奪取
第63期本因坊決定戦七番勝負で
3連敗後の4連勝という大逆転で本因坊秀紳を破りました。
初の本因坊位をタイトル奪取した羽根直樹新本因坊の言葉です


「最初の3局は内容がひどく、結果は気にしなかった」
「1局でも多く打ちたいという気持ちで続け、
それが4連勝という結果につながった」と振り返る。

大逆転もあるか
 前本因坊秀紳
3連勝はうまくいきすぎで、あとはほとんど力負けでした。

第4局で負けたとき、ひょっとしたら大逆転もあるかと。
シリーズを通じて力不足を感じました。
」と反省した。

布石をしっかり
 一方、羽根新本因坊は「第3局まで布石がひど過ぎたので、
第4局からは、
時間を使っても布石をしっかり打とうと勉強し直して打ちました



 私はこの番碁・7局を通して見ていましたが、

お話しの通りで、

第4局の、
秀紳が心の緩みから短気を出して
隅からトリカケに打った一手が問題で、
これが敗着となり、後の連戦に良いところが無く、
3連敗に繋がったと、見ている。


 まったく怖ろしいことである。


薄みは必然
私が韓国に親善試合と言っても、対抗戦に出るとき、
白番の心得を家田隆二先生に訊ねた


曰く
「白番は厚く打たねばいけないが、どうしても薄くなる。
ある程度の薄みは必然なので、
覚悟せねばならないでしょう


手厚く打って
今、私のテーブルには、
小林光一の「白番布石の徹底解明・・手厚い布石の作り方」がある。

 本書には「白番で碁を悪くしてしまう原因は、
形勢を良くしたいと思う余り、無理をしてしまう」に問題がある。

 つまり
「白番では、ちょっと遅れているかな?」ぐらいで良い勝負で、
「手厚く打っていても間に合う」ぐらいで充分!
ということだった。

後手の先手
後手の先手、短気を出さず、辛抱が大切!と教えられるのだが、

その難しいこと・・・夥しい。