インテリジェンス打碁術 ーーー碁を打つのに頭を使えーーー 高野圭介
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文芸春秋(2007年7月・8月号)に「インテリジェンス交渉術」佐藤優著の連載がある。 「交渉にはふさわしい仕方」がある、というのだ。 広義の交渉術のカテゴリーとして三つが挙げられている。
そうして、交渉に絶対勝利する技法はないが、 交渉術の原理と具体的事例を研究することで、 勝利の可能性を高められる、としている。 |
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「小さいことでは約束を守り、信用させて、最後に一回大きく騙す」ということは インテリジェンス交渉術の基本であるという。 もし、 「交渉相手との信頼関係を維持することが当方にとっても最終的に得だ」というのは 論理があべこべであると。 そうして、騙す者が悪いのでなく、騙される者が間抜けであり、 交渉術の世界では、 道徳や倫理に従って行動することは必ずしも賞賛さるべきものでもない、とも。 交渉術というのは「善でも悪でもない、価値中立的な技法だ」という。 |
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人間社会に生きていて、交渉は人間が行うものである。 ここに、交渉力を強化する方策を考えるは重大な価値がある、と言うのだ。 |
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私は「碁は手談なり」と言われる碁は、相手との対話であり、交渉の場である。 したがって、意表を衝いて、交渉のどこかで出し抜く術が勝敗を決するのではないか? 「碁を打つときには頭を使え」と読めたのである。
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ここに改めて、 「碁を打つときには頭を使い、知恵巡らす打碁術」を問えば、
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