インテリジェンス打碁術

ーーー碁を打つのに頭を使えーーー



                                            高野圭介

intelligence     知能、知恵、理解力、聡明さ.etc.
intelligence service                  情報機関
intelligence agent                      スパイ
intelligence department            (政府の)情報局
intelligence quotient(IQ)                知能指数

 
文芸春秋(2007年7月・8月号)に「インテリジェンス交渉術」佐藤優著の連載がある。

 「交渉にはふさわしい仕方」がある、というのだ

広義の交渉術のカテゴリーとして三つが挙げられている。

1.

「交渉をしないための交渉術」


2.

「暴力で相手を押さえつける交渉術」

3.

「取引による交渉術」=狭義の交渉術


 そうして、交渉に絶対勝利する技法はないが、
交渉術の原理と具体的事例を研究することで、
勝利の可能性を高められる、としている。



「小さいことでは約束を守り、信用させて、最後に一回大きく騙す」ということは
インテリジェンス交渉術の基本であるという。

 もし、
「交渉相手との信頼関係を維持することが当方にとっても最終的に得だ」というのは
論理があべこべであると。

 そうして、騙す者が悪いのでなく、騙される者が間抜けであり、
交渉術の世界では、
道徳や倫理に従って行動することは必ずしも賞賛さるべきものでもない、とも。

 交渉術というのは「善でも悪でもない、価値中立的な技法だ」という。



人間社会に生きていて、交渉は人間が行うものである。
ここに、交渉力を強化する方策を考えるは重大な価値がある、と言うのだ。


私は「碁は手談なり」と言われる碁は、相手との対話であり、交渉の場である
したがって、意表を衝いて、交渉のどこかで出し抜く術が勝敗を決するのではないか?
「碁を打つときには頭を使え」と読めたのである。


1.


「交渉をしないための交渉術」

  碁では布石を going my way を活かし、大場を打っていく。
  前提として、布石論に明るいこと


2.


「暴力で相手を押さえつける交渉術」

  碁では切って、切って、闘う。
  前提として、石の筋・形に明るく、力が強いこと



3.


「取引による交渉術」=狭義の交渉術

  碁では自己主張を強め、どんどん振り替わって打つ。
  前提として、気合い良く打ち、石の方向を誤らない



ここに改めて、
「碁を打つときには頭を使い、知恵巡らす打碁術」を問えば、


1.


布石論に明るく、闘わずに勝つ法に抜きんでている


2.

ヨミの力が抜群で、戦いに強いこと


3.



自己主張して、気合いの良い碁を打つ