眼が動いている!


                                           高野圭介


上田桃子の
「眼が動く」


上田桃子(21)
大王製紙エリエール・レディースで今季5勝目を挙げて、
史上最年少の賞金女王を決めた。

その時の言葉である。

「私は宮里藍先輩から素晴らしいサゼッションを頂いた。
打つとき
『眼が動いている!』というのです。」

「私は打つとき、球に集中して、
一点だけを凝視して打ち抜きました。
それで、優勝できたのです」


振り返って、自分のミスショットを思い出せば、
打つ瞬間の球の残映を見たことがないのに気が付いた。
どうも球を見ないで打っているのではないか!

あほくさいけど、
それなら修正できる・・・と、変な安心をした。

兵庫C.C.の
キャディの眼

先だって、兵庫C.C.で、キャディが言うには
「私らも60才定年があるんです。
同年キャディが3人居ますが、いっぺんに減るんですよ」

「減っても、アルバイトで、来たらどう?」

「哀しいけど、眼が悪くなって、球を追えなくなるんです

動体視力の
衰え

 私はペーパードライバーになって、既に久しい。
それでも、ライセンスの書き換えに行って、
免許の余命を繋いでいる。

その書き換えの時、動体視力の衰えをまじまじと見せつけられる。

そう言えば、
良いバッターはピッチャーの投げる球が止まって見えると、
聞いたことがある。

審判は眼を
見る

今朝のことだ。

太極拳の佐藤靖子先生のご指導だ。

「競技会の時、審判は眼を見る。
運足や指先などではありません。
見えない敵を見据える眼をみます。」


弱々しいきょろ付く眼は評価されない!と喝破されるのです。

巨匠の眼


かって、橋本宇太郎先生にぶしつけな質問をしたことがある

「先生、この局面に3箇所良いところがあるとして、
どこどこを読まれるのですか?」

「そうですね。だいたい一点だけです。
そこを先の先までしっかりヨミます」

巨匠の眼はたじろぎもしない。