目鼻立ち 石の筋と形を人体になぞらえた名称 高野圭介 |
|
碁が人の身体に溶け込んできたのか、身体の動きが石の動きになってしまったのか、 石の筋と形を人体になぞらえた名称で、分かり易く表そうとしたものがいっぱいある。 人体のそれも音読みと訓読みと二つある。大まかに分けて3つ。 胃・腸・肝・腎など体内のものは音読みだろうか。 目・鼻・腹など外から見えるものは訓読み。 碁に関係のあるのはほとんど訓読み。 つまり和製グループだ。 |
|
頭 | 「頭を出す」 「頭をタタク」 「頭をぶつける」 「二目の頭」 「三目の頭」 |
目 | 「目あり目なし」 「欠け目」 「目算」また「駄目」 人間でも古来から「一眼二足」と言われて、失ったら最も難渋するものは眼だった。 なんと、眼で命が取られるほどで、重要なものはない。 |
鼻 | 「鼻づけ」「天狗の鼻づけ」 「四本鼻は叩かすとも三本鼻は叩かすな」 |
耳 | 「耳の急所」 |
顎 | 「アゴの急所」 |
口 | 「虎の口(ラッパツギ)」 「逃げる出口」 「突破口」 古来「口談」とか言って、形勢不利ならば、手段と混ぜて使うとも |
足 | 「足早」 「足が速い・遅い」 「足がかり」 |
指 | 「眼の中へ指を突っ込む」「指運」 |
背 | 「背中で打つ」 「背中の厚み」 |
腹 | 「腹づけ」 「狸の腹鼓」 |
腰 | 「腰が伸びる」 「腰を落とす」 「二枚腰」 |
尻尾 | 「亀の甲のしっぽ付け」 今の人間にはないが、過去にあった痕跡がある。 |
手 | 忘れてはいませんか?というのが「手」 術語も格言もだんぜん多い。 「手段」 「着手」 「悪手」などの基本動作が集約されていて、 しかも、この三つが音読み。 他は「テ」の訓読み。 「手筋」 「手順」 「手割り」 「手所」 「鬼手」 「手数」「後手の先手」 「手戻り」 「二手打つ」 「両バネ一手ノビ」 |
息 | 「攻めの息が切れる」 |
生死 | 石の命に関するもので締め括る。 「死活」 「大石死せず」 「死にきっていない」 「石が死んだら、動かない」 |