「碁のルールを知らんやつ」

                                                 高野圭介

 碁のルールを知らない
世の中に「知らん者にかかったらかなわんな」ということがある。
先だって碁吉会の金沢百万石大会の下見に行ったときのこと、

北国新聞の記事に、
小沢一郎自由党党首と菅直人民主党幹事長が碁を囲み、
倒閣に向けた活字が目に飛び込んできた。

「今の官邸(小泉内閣)は碁のルールを知らない人が
碁を打っているようだ。どうしようもない」

王立誠するな
ふと思ったのが、碁打ちの中で、碁のルールをどこまで知って
碁を打っているのかということだった。
  
昨今「王立誠するな」というのをよく聞く。流行っているのである。

世界各国のルール
日本ルールの曖昧さの所産とか、棋譜を汚さない日本の美意識理論が
中国ルール、台湾のイング・ルール等々に比べてどうとか、
巷間、世界各国のルールに議論が尽きなかった。

コンピューターのルール 
私は「将来はコンピューターが打てるルールにすべてが移行するであろう」
などと感じてはいるが、すでに味良き終局のためにも、
殆どが最後のダメまで打ちついでいるようになっているように思う。

    
相手を信じて地を作る
それも大切だが、今の日本囲碁ルールを読み理解している碁打ちが
どれほどいるだろうか。

たいていは細部に至るまで知り尽くさなくても、碁は打てる。
終盤には「相手を信じて地を作る」という日本ルールは素晴らしい。

でも、いよいよの所、そうも行かないところもあって、
「碁のルールを知らんもんが碁を打っているよな」という話は
日本中の碁打ちに言われたのかも知れない。