柳絮前線 高野圭介 |
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翔年のブログ | 梅花は雨に 柳絮は風に 世はただ嘘に揉まるる 閑吟集 梅の花がほころび始める頃は春の雨が降ったりもするけれど、 北京の春は柳の綿糸状のものが、風に乗って舞い散り、 一面をうめ尽くして、明るい春が訪れる。*1 (もの言う翔年ユリウス )より |
柳絮 | *1柳絮=リュウジョとは、 「毛白楊」(ポプラの一種)から発生する白い綿糸状のものらしい。 翔年は見たことがありません。 梅の花がほころび始める頃は春の雨が降ったりもするけれど、 北京の春は柳の綿糸状のものが、風に乗って舞い散り、 一面をうめ尽くして、明るい春が訪れる。 謡ですから、当然、裏の意味もあります。 ※ 梅花=女性、 柳絮=いとわた、軽くて柔かい女体を暗示。 世=男女の関係 雨、風=男の意気、男の情熱 |
問題提起 | 1995年春、私は北京滞在一ヶ月。中国周遊一ヶ月と、 二ヶ月間中国に遊んだ。そのときの体験です。 柳絮について、正確を期そうと思って調べた範囲は下記の程度で、 哀しいかなチェック機能が無く、問題提起の形で進めます。 |
柳絮は 柳(楊)の種子。 |
柳絮は柳(楊)の種子。白い綿毛に包まれて、風に乗って飛ぶ。 |
短い北京の春 | 北京の春は短い。 日本では二月は梅。三月桃で、四月は桜。と、微妙な春暖を追うて、 花は咲き初めてゆくけれど、北京では三月になると、新緑の葉の茂る木々に、 迎春花(黄梅)から梅花、桃花と春の花が一斉に咲き揃うのである。 そこへ、柳が芽を吹き出し、春の花を唱和する。 短い北京は道端から公園まで春の華やぎである。 |
毛白楊 | ところが、私が柳と思っていたのが、「毛白楊」(ポプラの一種)であったとは。 しかし、中国全土の柳がいったい何か、分からないままだ。 しかし今は、柳として、話を進める。 |
「柳絮」について | 『毛白楊」(ポプラの一種)』の表現が混乱させましたが、(翔年より) 植物分類学上では、 ポプラ=ヤナギ科、学名Populus →ヤナギ科マヌナラン属の総称で、 和名はセイヨウハコヤナギ(西洋はこ柳)といいます。 ナーンだ、植物学的には同じ科なんですね。 次に漢字表現ですが、二つあります。 ヤナギ=柳と楊です。 一般に「柳」は枝が垂れるものを表し、「楊」は枝が立つものを表します。 |
柳絮の綿毛 | 私は1995年3月17日に北京に降り立った。 当時、中国のビザは日本では一ヶ月しか下りず、 当地で一ヶ月の観光ビザの延期をして、5月15日に帰国したのです。 その間、2ヶ月、北京で、柳の芽から、白い花を見て、成都、昆明に行きました。 昆明では、柳から舞い降りる真っ白の綿のように、ふわふわと空中を舞い、 地上では、綿雪が積もったようにさえなる柳絮に会いました。柳の綿毛のようです。. |
柳絮前線 | そこから、大理、黄山、杭州、泰山と、北上し、北京へ帰ったのですが、 その間一ヶ月、ずーっと、北進する柳絮を追い続けていたのです。 私は、ははーん「柳絮前線」*2があるのだな・・・と、思っていました。 *2(日本での桜前線のように) |
白毛女 | 余分のことでしょうが、私は「白毛女」という音楽のCDを持っています。 注釈に、中国不朽名曲(Chinese Well-known Music --W hite hair woman)とあります。 ふたたびは帰り来ぬ日の柳絮飛ぶ 小谷伸子 |