その人次第


                                 高野圭介

る美先生
自力整体という体調を整えるエクササイズがある。
肉体の訓練と、食事の節制の二面から日頃の体調を整えるというのだ。

先生の名前を「る美先生」というのだが、
「瑠美」かと思ったら、「る美」なので、いっぺんに覚えた。


空手も

その、る美先生が若い時、空手のお稽古に取り組んだことがある。
先生は師範に聞いた。「私の帯の色は変えられるでしょうか」と。
師範はしばらくして答えた。「その人次第でしょうね」

イソップ
私はそのとき、イソップの話を思い出した。
ほら、人に町まで行く時間を聞いたら、答えないので、
気が悪いと、怒って歩き出したら、
その人は「その早さだったら、40分ぐらい」と、言ったという。

目標は5級
また、70歳近くなって碁を始めた黒田さんが、
「目標は5級!」と、取り組みを始められた。
おそらく、5級の強さは分からないまま、目標を立てられたに相違ないが。
歳のせいで、碁の上達もなかなか思うに任せられないのが実情だ。

始める年代
私の経験では、40代から始める、50代、60代、70代・・からと、
始める年代によって会得できる深さが違っていると、思っている。
まあ、70過ぎてからは、何をしても、新規取り組みは困難が先に伴う。

裏付ける話に、韓国で聞いた話では、逆に、
「一流のプロには4,5歳から才能のある子どもを見出して、英才教育が必要」と。
小学校からではもう遅いのだそうだ。

まだまだ
碁のプロが老境に入った人に指導碁を打った後、
素晴らしいご宣託を下された。
「あなたは、才能がある。まだまだ2,3目は上達されますぞ。」と。
その人は喜んで、家に帰って、奥様にその話をした。

奥様はにこにこして言うには、
あなたは気楽なお方。まだどれだけ強くなれると思ってるの?
まだまだ下手だよ、としかとれないわ。



巧く自分を管理

ともあれ、その人が自分を管理することはたいへんなことだ。
自分を管理して、健康も、生活も、

巧く管理しながら、
その人のお気の召すままに、人生を送れたら最高だ。

お気に召すまま
「As you like it.」(お気に召すまま)はシェイクスピア。

自然な支配を
「無為にして化す」は自然な支配を説いた老子(道教)の言葉。