「コモキュウ」論議

籠もって窮(級)・攻めて断(段)

                                 高野圭介



左下隅黒が籠って締まった。右上白は封鎖を免れた。
これさえなければ、黑はすでに有段の実力がある。


もう15年前のこと、2005年7月、中山典之先生の「チロル囲碁ツアー」に参加した。

 チロルの山中はドナウ川とライン川の分水嶺の辺りで、語を打ったり、トレッキングしたり、
一坪足らずの風呂は混浴で風呂の中でドイツの美女と
「第九」や「野薔薇・Heidenroeslen」を合唱したり、楽しい毎日だった。





 碁もよく打った。中田良知・塩沢孝子のウマの合った仲間が出来た。

帰国後、塩沢孝子の投稿から、その辺りをお知らせしよう。

「私たちの合い言葉は「コモキュウ」だった。つまり、高野さんが創作している
「囲碁格言カルタ」の中の「籠もって窮(級)・攻めて断(段)」のテーマで碁を打った。」




チロルの収穫


 高野さんの碁の指導は次の三点で、これが目からウロコのチロルの収穫となった。

① 籠もって窮(級)・攻めて断(段)
② 地を取るよりも連絡するように
③ 見えないけれど強いラインを

 特に序盤では内に籠もらずに、外に出るように打った方がよいとのこと。
しかし「なるほど、うーん」と唸って、真似しても、隅や三三が甘くなり、
いつ守ったらいいか、そのタイミングが難しい。」




イナバ会の楽しい碁が始まった。三人官女の「碁の理解度」は相当なものと分かった。
しかし、矢張り、碁の把握について問題が無いわけでも無い。

碁の打ち方は千変万化だが、当面の指針として「コモキュウ」からとしよう。