寸鉄盤に入る

                               高野圭介自戦記

       古谷 裕七段 vs 二子 高野圭介

2008年8月13日 いずみの会・大阪
133手完 黒投了


有り余る才
古谷先生には前にお会いしていましたが、
親しく話したのは初めてです。

先生は有り余る才もちらつかさず、
やさしい面影から、
寸鉄盤に入るような鋭い手が繰り出される。

 先生はひたずら盤に向かっておられました。

勝海舟の言葉
 私は勝海舟の言葉を思い出しました。

事を遂げる者は、愚直でなければならぬ。
才走ってはいかぬ。
」と。

古谷先生の姿勢に感動を覚えました。

 古谷評
 本局、
黒は右下最初に低位に付き、黒23と後手を引いては悪い。
 右上、黒45まで、白を封じ込めて、イーブンまで回復した

黒77が逸機
一つ出て、キリ一本、包丁を入れておくのだった。
さすれば、
左辺の白は味悪く、ぼちぼち戦えただろう。