高野圭介 百人一譜

      
 


本田先生から自戦解説が届いた。

実に余韻が残る精戯だった・・・とは また、精魂込めて打ちましょう。

高野圭介   vs   定先  本田維憲


自戦記  本田維憲    注釈  高野圭介





本田先生から自戦解説が届いた。

新手「変則チキリ」から私はいつでも、何回も負けていた。
私の勝負手は二回。白112.ツケと192ツケ。これを「鬼仙の手」と命名された。
叶わぬまでも、起死回生の端緒となったのも確かである。

私の大好きな「星の王子様」サン=テグジュペリ著が引用されたのに驚いた。
星の王子様はバオバブの木で碁盤を作り、ちりばめた星を白黒の碁石にして、
碁に親しんでいたと、私は常日頃から妄想を逞しくしているものを。

私たちの碁は元来「完璧」を目標とはしていない。しても出来ない。
人間味豊かな碁に親しむ世界、これが私たちの桃源郷ではなかろうか。

西に東に交流して、又の日を楽しみにしましょう。

                                     高野 記




 


 
文中、二、三興味津々の部分に注釈を入れます。  高野 記

1.チキリについて

今回宴席で素晴らしい司会して戴いた須賀悦子さんと女性の囲碁クラブ「チキリ会」を立ち上げました。
囲碁用語の中で、チキリという術語ほど素晴らしい言葉は無いと思っていましたから。

2.宝殿について

山陽本線の加古川から姫路の間の駅の名前です。
加古川−曽根−宝殿−御着−姫路と続いています。
「ソネ−ホーデン」が隣り合わせの駅で、「まあ、何という・・・」・・・そういうことであります。