囲碁いろは歌カルタ 囲碁雑誌「囲碁研究」誌の川柳投稿欄に読者が投句した、二十年間三十万句の中から、 四十八句を撰んでカルタに仕立てました。撰者中山が脇付を付けて、 百人一首の如きものとなり、従来のものに比して格別に面白くなったと信じます。 なお、歴史的仮名遣いを用いています。 中山典之記 |
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上の句 |
中の句 |
下の句 |
脇 付 |
イ | 石の上に | 三年で知る | 石の下 | 人は百年 囲碁は永年 |
ロ | 論よりも | 証拠見たさに | シチョウ逃げ | 天国奈落 指のまにまに |
ハ | 鼻先に | 初段ぶら下げ | 友来たる | 一番だけは 負けてあげましょ |
ニ | 苦手とは | 俺のことあkと | 憎たらし | 憎さも憎し 夢の中まで |
ホ | 褒められて | それから 打つ手 | 凝ってくる | 定石よりも 良き手なきやと |
ヘ | 平和です | 女房どのが | 白を持ち | 我が家は俺が二.三目置き |
ト | 鈍行が | よいと 碁狂の | 二人旅 | 終点ですよ なあにまだまだ |
チ | 茶柱も | 寝て居る 今日の | 負けいくさ | 良き手を見れば すぐに起つ起つ |
リ | 竜宮に | 碁盤があれば | 更に延び | 玉手箱にには 棋書が四.五冊 |
ヌ | 濡衣だ | 君がヘボだなんて | 言わないよ | 大事な客と 言いはすれども |
ル | 留守番を | 犬に任せて | 碁会所へ | 何だ居ぬかと ぼやく碁敵 |
ヲ | 尾が出たぞ | 一夜仕込みの | ハメ手だろ | やはりバレたと 舌を出すなり |
ワ | 我が輩は | 黒である 眼は | まだ出来ず | 名は捜石と 言ふにあらずや |
カ | かみさんに | 負けて 関白 | 野に下る | かかあ殿下と イゴは呼ぶなり |
ヨ | 寄せ鍋が | 煮詰まります と | 妻の愚痴 | それどころじゃない煮詰まったヨセ |
タ | 叩かれた | 二子の頭 ちょっと | はげ | あまり叩くと わしは怒るぞ |
レ | レコードを | 静かに 流し | 詰碁解く | 全部正解 これぞレコード |
ソ | 測量し | 開拓した 地 | 乗っ盗られ | 還るはいつぞ 北の島々 |
ツ | 艶消しぢゃ | このお嬢様 | ハメ手打つ | 爺の得意手 真似てゴメンね |
ネ | ねんごろに | 慰められる | ほどの負け | 慰められる ほどに立つ腹 |
ナ | 泣くような | 声で三度目 | 待ってくれ | ダメだ 野球も 三振がある |
ラ | 来世まで | 白は渡さぬ | 諦めな | 来世は黒と 念書書いてよ |
ム | 向先 | この蛤の | 白さかな | 黒き 小さき 碁敵の石 |
ウ | 烏鷺とはね | 囲碁のことよと | ザル二人 | 道理でウロウロするワ この石 |
ヰ | 居直った | 石の形の | 憎いこと | 大あぐらかき アカンベエする |
ノ | 覗いても | 継いではくれぬ | 強いバカ | 大愚に似たる 大賢もあり |
オ | 老い先の | 短き吾に | 勝たせてよ | 終わり名古屋と 投げて下され |
ク | 悔やむなよ | ポカは 天下の | 廻りもの | 目玉グルグル阿波の渦潮 |
ヤ | 野次馬も | 寄らぬとなれば | また淋し | 強すぎるのも 弱すぎるのも |
マ | 又しても | 布団の下に | 石が見ゆ | 下ごころとは これを言うらむ |
ケ | 血圧が | 少し高くて | 碁制限 | せっかく来たのに せめて 一番 |
フ | 不可解な | 石よと見やる | 眼鏡ごし | よほど強いか よほど弱いか |
コ | 子ら巣立ち | 妻と究める | 烏鷺の道 | 鴛鴦老いて 烏鷺となるらし |
エ | 厭世の | 因は手直り | 二子 三子 | 死にたいだろう いいや生きたい |
テ | 手刀は | 要らぬ トットと | 石あげよ | 手つき 言い草 すべて 不愉快 |
ア | 飽きもせず | 大負け小負けで | 日が暮れる | カラスの勝手だ 俺は帰るぞ |
サ | 咲いた咲いた | 老後に咲いた | 囲碁の花 | 白と黒との 二色なれども |
キ | 切られても | 血が出てこない | 碁の勝負 | 出てはいるなり 見えぬだけなり |
ユ | 夢にまで | 出でし碁盤を | 何とせう | 覚めても耳に 残る石音 |
メ | 冥土にも | 碁会所あるやと | 墓に問ひ | 蟻が出てきて アリと答へる |
ミ | 嬰児に | 碁石握らせ | 大目玉 | ギュッと握った 白石放さず |
シ | 初心者が | 大斜 妖刀 | 大雪崩 | オロオロしてる 普及指導者 |
ヱ | 遠慮がち | 師匠を越えた | この一手 | ウン宜しいと 師匠うなづく |
ヒ | 悲鳴上げて | 実は喜ぶ | 胸の内 | 怖い饅頭 団体で来た |
モ | 文句あるか | おまへん 恐れ | 入りました | 一手勝ちとは ひでえ親爺だ |
セ | 扇子立て | ハッタと睨む | 心地よさ | バッタと敵の 倒れたる時 |
ス | 好きなのは | 私か碁か とは | 無理なこと | ぬしより長い 碁とのつきあい |
京 | 京の街 | 斜めに行けば | シチョウかな | 四丁あたりに 碁敵の家 |