(3) 井山が中央の白を攻めず、左下隅の三三を無視したか?

 1.   
緒戦・序盤右上隅の応接


石の持つエネルギー

 2.
打ち掛け時における張の苦悩。

 3.  
井山が中央の白を攻めず、左下隅の三三を無視したか?

 4.
張が満を持しての反撃なるか。


                                      高野圭介


井山裕太本因坊 史上初6冠
第37期棋聖戦七番勝負第6局 3月13日(水)、14日(木) 9時~



プロには論外
こういった観点はプロにとっては問題外で、自明の理だと思う。

Y氏の意見
Y氏(勝負強さは天下一品で、皆から恐れられている)

棋聖は、中央にわざと弱い石を作って、
攻めさせることによって勝機を見出そうとしている。


しかし、挑戦者は挑発に乗らず着々と大場に打ち、
棋聖位を手元に引き寄せている。冷静そのものだ。

高野の見解
碁はいつの場合でも、とりわけ序・中盤戦の鉄則は
「弱い石があれば攻める。」と言うことである。

本局も中央の白の眼形のはっきりしない白の大石を
なぜ攻めないのか?」その疑問に答えねばなるまい。

白が98と隅を守り、102と中に備えて手入れをさせたことで
充分元が取れている。アマにはそれが打てない。

 更に井山の路線は、いったん大優勢となった今、紛れてはならない。
勝勢を勝ち星に確定させるためにも手厚く打ち上げねばならない。

計算が出来ていることの証明か。

井山の述懐
週間碁に記載の井山の言葉。

「封じ手後の前後は難解で自信があったわけではありませんが、
下辺の白3子を取って連絡して、まずまずと思いました。
更に、左辺の黒が中央に出て治まったので、よかった。


客観的に見て、梶原の「オワ」の段階ではないかともある中、
この言葉はとても控えめで、謙虚だと思います。