木下敬章プロ vs 2子 高野圭介


1971年5月16日 於 山崎・初心会席上
           記録 井口 洋

170手以下略。 黒8目勝ち



志智嘉九郎館長
私が木下敬章プロの教えを請うたのは一つの経緯がある。

学生時代のある日のこと、神戸市は大倉山の図書館に出掛けていた。
そこに、志智嘉九郎館長が「君は碁を打つか?」と聞かれた。
「ハイ」と言う訳で、館長室で一局囲んだ。

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早速、右上の変化が起きた。
そのとき、館長は「その手はどういう手か?」と、聞かれ、
「呉清源が打っています」と言うと、
「そんな薄い手はダメ。呉清源なら打ち切れるが、
君ならば右下の定石で無ければならない。
将来が思いやられる。一人、プロの先生を紹介しよう。」


天神様棋風 
から

中の碁へ

 



それが木下敬章先生だった。

先生は天神さんというニックネームで、
碁も謹厳実直な人柄そのもの。やがて、
切った張ったの手は封じられ、清く正しい碁になってしまった。

それが棋風とやらは何回も変わって、
今は、高中国流専門となっている。

「戦いの中に勝機を見出してゆく。いや、高野さんの場合、
戦いの中に戦機を見出してゆく」


坂口骼O九段の評である。
「梔王」第17号(平成19年)p.19

木下評
黒50は単に54にウチコミ。

黒62は直ちにオサエて良し。

黒156オキはスルドい。勝着のヨセだった。