山部俊郎プロ vs 3子 高野圭介

1975年6月9日 於 日本棋院 東京本部

133手以下略 白3目勝ち



 天才・山部
6月の良き日、囲碁のメッカ・東京の日本棋院へ行った。
生涯の親友・碁友・悪友・福岡弘造と二人で行った。

今日の指導碁として、山部俊郎という名前が眼に入ってきた。
天下の「天才・山部」である。



1950年に日本棋院と関西棋院による東西対抗戦の第1戦に起用され、
橋本宇太郎と対戦、1手目を天元に打ち、橋本がそれにケイマガカリすると、
3手目さらにそれにケイマにかけるという破格の序盤戦を見せ、話題になった。


棋譜など

要りますか? 


碁盤の前に坐って、3子を敷いて言いました。

「勝手ながら、棋譜を採らせていただきます」、、、すると、
「あなた程の人が、棋譜など要りますか?」

二人は恐縮して、ひたすら打ち碁にのめり込むことになった。 


流石の

山部評


白14は15にトブのが普通。したがって、黒15は可。
黒18は巧手。
黒20はオサエずにヒキ。

黒24は1目トリでなく、27にオシツケルものだが、ただ、
黒28が好点なので、本譜もあったか。
黒44ケイでなく、その下に打って、厚い。

黒46は下辺でなく、中央から単に62と、ボーシに煽る。
黒58は59ヒキが厚い。
黒80は単に85ツギで、攻めを継続するところ。


核心を衝いていて、流石の山部評である。
就中、白69ハネは当然と言えば当然だが、天才山部躍如!