刮目して見たハングルの世界


李 玉順(イ・オクスン)先生の講義を主体に


                                                  高野圭介


私は英語はともかく、
中国語は60代になってから、ちょっと取り組んでみた。

ところが、年齢という壁が分厚く、
これからの外国語学習はままならぬことは初めから百も承知である。


ソウルの地下鉄
この春先、2008年2月にソウルを訪ねた。

同行の武知ハルミさんの人脈が素晴らしく、
たいへん貴重な体験が出来た。

 
南大門焼失の直後であったから、関連の行事にも出逢ったし、
インサンドンを歩いたり、南山公園、昌徳宮や
韓国人の歴史認識の何ものか、とか、
韓国の食、慣習などに直接触れることが出来た。

 そのとき、ソウルの地下鉄で、
駅の名前が読めないと困る、ということを実感した。


 帰国後、「ハングルとは」に触れてみたい、と思った。

したがって、イ先生(ソォnセニm)の門を叩いた。と言っても、
苦労はしないという横着な条件付きのお勉強である。

ハングル・パズル
ようやくにして、あの、ハングル・パズルが
活字として眼の中に生じる程度まではきた。

しかし、2種類の数字が、
それぞれ100までなかなか覚えられないことに直面し、
更には、年月日・時間の表示には
数字の音訓まぜこぜの所があったりして、
ややこしいこともある。

発音の特徴
ハングル=韓文字=「偉大な文字」の意。

600年前に創設された。

ハングル語という言葉はない。ハング語=韓国語

ハングルには二重母音があるため、
世界のどの國の言葉の発音が可能で、外国語が覚えやすい。
それに比べて、日本語の発音は領域が狭い。


ハングルとは
日本語に近い言葉はハングルとモンゴルの言葉と、言われる。
そして、日常使う単語はせいぜい4〜500ぐらいとも。

ハングルとは・・・という大まかなものは分かってきて、
それだけで大いに満足している。

以下、刮目して見たハングルの数々・・

大化の改新
日本では7世紀に、
蘇我氏は大連の大伴氏と物部氏にならぶ三大勢力の一角であった。
この蘇我氏は百済ないし高麗からの渡来人という説もある。

 蘇我氏は中国・高麗経由の仏教を主体にした文化交流の中心で、
天皇家を頭越しにしたため、蘇我入鹿は誅され滅びた。
それが大化の改新である。

 その頃から、
韓国語と日本語との交流も一層深まったのではないか?



「固有語」

「漢字語」

「外来語」

「混種語



 韓国語に「固有語」「漢字語」「外来語」「混種語」の
4つがあります。

「漢字語」は韓国語の70%は「漢字語」いわれています。
「外来語」には英語などの、言葉からのが主流である。
「日本語」から来たのは聞かないが、
韓国から日本へはすこぶる多い。

天孫降臨の話は、韓国にもある。


日本の外来語

東北弁と酷似


  ハング語は東北弁と酷似している。これも渡来人の影響だろう。

 濁音の使い方が両国語の間に、難しく、それが難しい。

渡来人の命名であろうが、
奈良は韓国語のナラ=國がそのまま地名になったそうだ。

オモニ=於母=母=おもうさま
・・・宮中の言葉も韓国からの外来語だ。

してちょうよ、いけんね・・=ハングルからの転語
ワッショ=来ました・・・ワッショイ
パボ=アホ=馬鹿


 
ハングルの
音と訓



音と訓で口の開け方が違う。
口の形が縦長の音と横長の訓

音は漢字単語と言われるように、
中国漢字の発音は日本の音より近そうだ。



國の呼称
   
中国語そのままの発音は國の名前には多い。

 中国人=チュンゴ・レン=チュンゴ・サラm
 イギリス人=インクオ・レン=ヨング・サラm
 ドイツ人=ドゥクオ・レン=ドクイル・サラm
 アメリカ人=メイクオ・レン=美国=ミグ・サラm=米國

ところで、アメリカは美国で、メイクオと読むが、

想像の範囲だが、
韓国ではメイクオは米國と書いたのかも知れない。
それが日本へ入って、ベイコクと定着した?とも考えた。

数字の変遷
数字の読みは違うと言えば違うが、同じといえば、三者同じである。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

中国

 イ アール サン スゥ リュウ チィ チュウ

韓国

イル サム リュク チル パル シプ

日本

イチ サン ロク シチ ハチ ジュウ

注:ハングルの
はリュク乃至ユクである。

日本の
という数字は、ヒチでもなく、ナナでもない。シチなら分かる。

一つの発音
一つの言葉には未来永劫一つの発音しかない。

この点、日本語には音訓の二つだけでなく、
いろんな読み替えがあることが多々ある。

韓国語の漢字は、1つの漢字に原則1つの読みで、
日本語のようにいくつもの読みがあるわけでなく、
音読みだけです。

パッチム
発音の問題点はパッチム(下支え)と言われる
特殊な発音がある。

パッチムは「終声を表す子音字」なのですが、
言葉を豊富にする一つの手法なのだそうで、

結果として、
発音を円滑にする特有の発音機能とでも言うか。
パッチムを手の内に入れるのは至難のようだ。

漢字体の氏名
韓国人はいっぱんに
ハングルと漢字体の二つの表示を持っている。

しかし、ここ600年に亘ってハングルの徹底のために、
漢字を棄ててきたこともあって、ここにきて、
漢字体の氏名を持っていない人が
逐一現れてるのが現状となっている。


本籍と本貫


族譜


「同姓娶らず」ということ。

 日本人には本籍がある。韓国人には本貫がある。
本貫とは、出自を表す。いわゆる血筋。

族譜(チョッポ)。

たとえば、慶州李氏。寧陽趙氏・・というように。
本貫は血の濃さを防ぐのが目的か。

儒教の世界
韓国語の場合、
儒教
がそのまま残っている國と言えるほど、
敬老の心は定着していて、
バス、地下鉄の乗り物の中でも、若者は老人に席を譲る。

 敬語を使うか使わないかの判断は「目上なのか、
年上なのか」だけで、絶対敬語です。

ですから、
祖父母、父母に対してはいつも敬語を用います。

敬語について
日本語の場合


「お母様は、お元気でいらっしゃいますか?」
「ええ、母は、元気にしております。」


 
韓国語の場合


「お母様は、お元気でいらっしゃいますか?」
「ええ、お母様は、お元気でいらっしゃいます。」



英語の場合


「お母さん元気ですか?」
「ええ、彼女は元気です。」


ビビンバ
日本で有名なビビンバは

正式には「ピビmパプ」ですから、
「ビビンバ」でも、「ピビンバッ」でもない。



スジョ

スカラとチョカラ。スプーンをスッカラク。箸をチョッカラク。
故に、スプーンと箸の1セットをスジョという。

 新長田の朝鮮料理屋さんに、
「スッカラク・チョッカラク」 という名の店がある。

「ペガコパヨ」(腹が減った)ので、行った。
美味しくて、沢山食べて・・・
「ペプル ロヨ」(お腹がいっぱい)になった。