打ち込め青春

精鋭初・二段vs学生トップ選抜対局

白   前田良二初段   vs  黒 高野雅永 慶大主将
白番5目半逆コミ          
             
155手完    黒中押し勝ち

昭和58年    東京・緑星学園
                                         講 評  石田芳夫

                                         観戦記 菊池康郎

学生碁界
最近の学生碁界のレベルはひと頃に比べてやや沈滞しているのではないか。
層が厚くなっているのは確かだが。そんなささやきを耳にする。

何か、よい刺激剤は無いか?その願いで生まれたのがこの企画である。

雅永君
雅永君は父・圭介氏と弟・雅晴君と三人揃ってアマ6段という囲碁一家である。

関西アマ碁会の重鎮、西村修氏に習い、イギリスに留学というブランクはあったが
慶応囲碁部主将を務めながら、緑星学園でももっぱら腕を磨き、学生十傑戦、
学生本因坊戦の関東代表に勝ち進むまでになった。

因みに、本局、前田君と高野君は緑星学園第一期生という同期の桜なのである。

石田評
序盤黒49まで、白はからまわりで、白不十分。
黒67とカス石を動いたのが重く、67は68の左にボーシが相場。
白100手迄左中央白模様がデカくなってきた。
白104、黒105と最後の勝負所。

総評として、白はヨミにビシッとしたものが必要。
黒はときおり着想に重い感じがあるので、発想の飛躍が欲しい。