紅葉の目付 ラウンド制インターバルを廃止した新囲碁事情 囲碁6段 剣道2段 ゴルフ9 梅影悟彦 |
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「紅葉の目付」 |
ゴルフ場がいちばん美しいのは秋だと思う。春の桜も新緑の夏も良いが、 落ち着いた雰囲気の中でショットするのが性に合っている。 つい先日、宝塚でゴルフをした。言わずと知れた碁吉会の面々と楽しい一日だった。 紅葉たけなわを愛でながらの思いついたのは「紅葉の目付」という言葉。 つまり枝葉の部分をのみ見るのではなくて、紅葉の木全体を眺めよというものです。 「紅葉の目付」は剣道の心得の一つの言葉ですが、相手の剣先ばかりを見ていると、 相手の繰り出す技に屈してしまう。相手の身体全体に目を向けることによって 相手の技を見抜くというものです。 |
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ゴルフに例える | ゴルフに例えるなら、 アドレスはちょっと度外視して、一ホール全体で言うなら、 一ホール全体の攻略を図り、焦点を最終のパターの位置に置く。 途中の優劣は問わないというものです。 |
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碁で例えると 武宮の全局指向 |
碁で例えるなら、 部分部分の折衝にはこだわらず、盤全体を見よということになります。 特に昨今はこの傾向が強く見られて、 「盤全体で打つ」という言葉をよく耳にするようになりました。 定石も得な定石、損な定石という分け方も聞かなくなってきました。 この傾向は武宮正樹が全局指向に400年の碁の歴史を改め、 加えて井山裕太が昨今碁を変えていると思う。 井山が変えたのは、ラウンド制の碁を排し、 進行につれてどんどん戦いも進行していく碁にしたからです。 |
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ゲームの最中に 小休止 |
ラウンド制のゲーム、スポーツに目を向けると、 ゴルフもボクシングも一緒で、 一試合中の戦いがラウンド(ホール)で区切られ、 ラウンド毎にインターバルが設けられている。 このインターバルこそが曲者で、気分転換やリズムの保持やいろいろあるが、 重要なことはゲームの最中に小休止が持たれるという弊害です。 |
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ラウンド制を廃した 井山革命 |
井山以前は敢えて対局者同士が暗黙の中にインターバルを設けて、 区切り区切りというラウンド制の碁にしていた。 一局の中に訪れるインターバルを廃し、 インターバルを設けないのが井山の碁だと思います。 一局の碁は一局ですし、ゴルフのように一試合の中に18回の戦いがあり、 ボクシングのように一試合の中に12ラウンドの戦いがあって、 休憩休憩しながら打つのであれば、ゴルフゲームと同じ。 井山は過去からの伝統に隠された暗黙のルールを廃した。 井山革命である。 確かに中国や韓国の碁はラウンド制ではありません。 インターバルを取らない碁の方に戦いがシビアーに展開するのは当然です。 |