真 善 美




                          高野圭介


 蘇州へは3回目の訪問である。



 最初は1978年、神戸新聞創業80周年記念訪中囲碁使節団に加わって,
北京,天津,上海,広州と転戦したとき、蘇州に遊んだ。

 2回目は1995年、阪神大震災の年,5月から2ヶ月間,
たまたま北京に1ヶ月間。中国周遊1ヶ月間と遊んだことがあった。
その周遊の終わり頃、蘇州から西湖へと記憶に新しい。

 今回は3回目。2006年、第11回蘇州名人教授杯蘇州囲碁大会である。
懐かしかった。何を思ったか,蘇州ほど大きく変わったところを知らないと、識している。

 
そのとき「私はテレビに放映されているものから、
誠を訴える真善美の本質的な力の何に相当するかを考えていた。」と。

一方,「作意で固められたものは非本質的なもので、
心を打つ、ということにはならないだろうと思った。」とも書いている。


真善美

真 正しいもの、強いもの、打ち勝つ力。

善 何ものも自然に順応し、淘汰される。

美 可愛いもの、珍しいもの美しいもの。

 
 ギリシャのプラトンの言葉である。



 プラトンの考えの最も中心は、人間のさまざまな「真理」の根源は、
世界が何であるか、という事実のうちにではなく、
「真善美」という価値的なものの存在本質のうちにある、という考えです。

 真善美とは、認識上の真理と、倫理上の善、そして、
審美上の美という人間の精神が究極的に求める普遍的な価値のあり方を示す
三つの概念であります。

こうした真善美という三つの概念は、
古代ギリシアの哲学者であるプラトンの思想やその哲学の中心となる理論である
イデア論との関係から語られることが多い概念でもあります。