俳句  雅趣と蘊蓄に充ちた


                                橫井傘二 吟詠

俳句は201610月より神戸新聞に入選句
選者・・・水田むつみわたなべじゅんこ

                            高野圭介 編

 2023年5月22日 入選   
花曇る西行庵の一日かな

 2023年5月17日 入選
歳時記に独り親しむ日永かな

2023年5月1日 入選
真つ白な明日への闘志花辛夷

2023年4月12日 入選
風の息暫しとどめて春の雪

2023年4月3日 入選
春立つや万物さらに生き生きと

2023年3月21日 特選
母妻娘それぞれバレンタインの日

 選者 評  
女性家族に囲まれた作者:橫井氏。

母妻娘。それぞれの女性の思いが
交錯するのがバレンタインの日。

いったい、誰のチョコを用意しているのだろう。
真ん中にいる作者も落ち着かない一日である。

2023年3月20日 入選  
言霊を残してどんど空焦がす

2023年2月27日 入選・佳作  
子も孫も去りて三日の妻の酒

 2023年2月15日 入選  
明るさも人工島の霙かな

 2023年1月23日 入選  
冬の日やそつと繙く方丈記

2023年1月16日 入選
明るさの空に残りし時雨かな

 2022年10月17日 入選  
新涼や机の上を片付けて

2022年9月26日 2週連続入選   
秋立つやもののあはれのふたつみつ

2022年9月19日 入選  
蝉しぐれ人工島の雨あがる

2022年7月27日 入選  
青春の中原中也風薫る

2022年7月13日 入選  
大いなる雲を掴みし新樹かな

2022年6月27日 入選  
四月馬鹿有りて幸せ思ふとき

2022年6月15日 入選  
空を透く街の辛夷の白さかな

2022年5月23日 入選  
花冷や古色の町に憩ひをり

2022年4月18日 入選  
石投げて音の軽さや水温む

2022年3月16日 入選
星凍てて見果てぬ夢の限りなし

2022年2月16日 入選
海光を鎮めて冬の礁かな

2022年1月17日 入選
我に来て日向へ誘ふ冬の蝶

2022年1月3日 入選
人の世に極月といふ早さかな

2021年12月20日 入選  
杉玉に惹かれ購ふ新走

2021年11月17日 入選
待宵の月に愁ひは無かりけり

2021年11月8日 2週連続入選
白萩のやさしき風に零れけり

2021年11月3日 入選
長き夜や仰臥漫録読み進む

 2021年10月18日 入選
事も無く終戦の日の暮れにけり

2021年10月13日 入選  
生身魂よく笑ひよく喰ひにけり

2021年9月20日 入選  
風鈴に宿るやさしさ聴きにけり

2021年8月23日 入選  
鉄線花凛の一字を抱きけり


2021年8月9日

神戸新聞俳句

W入選

 
わたなべじゅんこ選

入選



父の日よ母の日よりも話題無く


水田むつみ選

入選


君少し離れ日傘の人となり

     

2021年7月26日

神戸新聞俳句

W入選


 

わたなべじゅんこ選

入選


本倦むや新茶を啜る午前二時


水田むつみ選

入選


形代や人気少なき宮の水

2021年7月19日 入選  
庭越しに隣家の赤きアマリリス

2021年6月28日  三週連続入選  
風光る人の暗さを隠しつつ

2021年6月21日 入選  
夏近し水待つ河馬のぽかん顔

2021年6月14日 入選  
待つことの多しこのごろ風光る

     
2021年5月17日 三週連続入選  
心善き疲れ残りて花の雨

2021年5月10日 入選  
飄々と生きて躓く四月馬鹿

 2021年5月3日 入選  
生くるもの啓蟄の日に新たなり

 2021年4月5日 入選  
熟睡をさせてもらへず猫の恋

 2021年3月17日 入選  
寒月や清貧常に須く

2021年2月22日 入選 
だんだんに頭が慣れし冬帽子

 2021年1月18日 入選  
枯野行く芭蕉の脚に追ひつけず

2021年1月18日 入選  
鈴の音を風に揺らすや七五三

2020年12月21日 入選
初しぐれ北へ北へと湖西線

2020年11月23日 入選
限りある生命爽やか限りなく

 2020年9月21日

神戸新聞俳句

W入選
 
わたなべじゅんこ選

入選



水鉄砲妻に殺すと言はれけり


水田むつみ選

入選


我が弱き心を鼓舞す蝉時雨

  2020年9月16日 入選
 その仕草子は父に似て墓洗ふ

 2020年8月24日 入選  
天金の聖書の上に夜の蟻

 2020年8月10日 三週連続入選  
父の日にいつもの酒を貰ひけり

 2020年8月3日 入選  
嫌はれて哀れを誘ふ毛虫かな

 2020年7月27日 入選  
晩学の我に父の日有りにけり

 2020年6月17日  入選  
礁無き人無き須磨の卯浪かな

 2020年5月25日 入選  
幸せを拾ふが如く土筆摘む

 2020年5月4日 入選  
水中に蠢動一つ蝌蚪の紐

 2020年4月6日 入選  
病癒え二月礼者の破顔かな

 2020年3月23日 入選  
立春や花鳥風月日々新た

2020年2月17日 入選
数へ日や妻に感謝の独り言

 2020年2月3日 入選  
一点の灯りもあらぬ枯野かな

 2020年1月20日 入選  
漆黒の画布に一点寒の月

 2020年1月6日 入選  
鰭酒や鼓腹撃壌友二人

 2019年12月16日 入選  
猪の黒き山河に突進す

 2019年12月2日 特選  
白萩の風に溢るる白さかな

2019年11月18日 入選  
天空の城に登りて雲を噛む

  2019年11月13日 入選  
もの憂げに明日を待ちたる二日月

 2019年10月14日  三週連続入選
地震の疵残りし町の地蔵盆

 2019年10月7日 入選  
文机にレモン一顆と新刊書

  2019年9月23日 入選  
暫くは通勤時の百日紅

 2019年9月11日 入選  
日傘してやさしき声となりにけり

2019年8月19日  入選  
一膳の心鎮めし鱧料理

2019年6月18日  入選  
一鉢に金魚の涙溶けにけり

2019年6月3日 入選  
暫くは落花有情の闇の底

2019年5月27日  入選  
夕霞生きし憂ひを押し籠めて

2019年4月24日 入選
桃の花母系家族に囲まれて

 2019年4月17日 入選  
山笑ふ善人小さき夢ばかり

2019年3月25日 入選  
人日や名のむつかしき草を喰む

 2019年2月25日 入選  
子の福を孫の福をと初詣

 2019年2月11日 入選  
幸せの花溢れゐるクリスマス

 2019年1月17日 入選  
枯菊を濡らして慈雨となりにけり

 2018年12月12日 入選  
山柿の小さきに有れど天穿つ

 2018年11月26日 入選  
自づから物語をり式部の実

 2018年11月19日 入選  
みちのくの言の葉添へて菊の酒

 2018年10月15日 入選
城裏の暗きを出でて杜鵑草

 2018年8月27日 入選
読み更ける吉川英治明易し

2018年6月18日 特選
言霊を暫し残して桜散る

2018年1月22日 入選
冬の月メタセコイアの葉隠に

2017年11月27日 入選
帰り来る人はもう居ず秋の蝉

2017年10月25日 入選
生身魂大口開けて飯を喰ふ

2017年9月25日 入選
逆立ちて強張る腕や雲の峰

2017年7月24日 入選
新緑の絵の具さらさら風の刷く

2017年6月26日 入選
メールとふ恋のミサイル風信子

2017年5月22日 入選
小さき手に小さき幸せ豆の花

2017年4月24日 入選
啓蟄の手足伸ばして風を知る

2017年3月27日 入選
榾の火に誘はれ生きしことのあり

2017年2月27日 入選
煩悩の一つ鎮めて冬帽子

2017年1月30日 入選
御座船の舳先分け入る海の秋

2016年12月24日 入選
泣く男泣かぬ女や新走り