雨の南イタリア世界文化遺産

                                         中西美恵子

 今回も驚き・感動のたくさんある素晴らしい旅でした。

 でも、雨には毎日会いました。それもきまぐれな雨。降ったりやんだり傘の開け閉めが忙しい。
途中すごい雪景色にも出会いました。暖かいと思って行ったのに毎日寒くて。
観光最後の日にやっと晴れて、やっぱり精進が良かったのかな、と。
帰る日はサングラスが欲しいような強い日差しでした。

 思い出すまま、印象深かった観光から記します。





 まず最初のナポリ
“ナポリを見て死ね”の言葉があるくらいですから、
どんなに美しい街かと思ったら、ちっとも美しくない。
あの言葉は海岸にある“卵城”からの海の風景をさしているとかでした。
でもあいにくの雨。

 ヨーロッパはどこに行っても絵になるような美しい風景と街。だからどこでも大好きなのですが、
ナポリは大阪のようだと言われているみたいですが、ビルは剥げ落ちたままだし。
窓からは洗濯物がぶらさがり、道には無造作に置かれた車がたくさん停められ、雑然とした街で、想像外。
 
ナポリの向かいのカプリ島の青の洞門には海がシケて行けなかったけど、
アナカプリからの景色は絶景。シチリア島もまた素晴らしかったです。

 ポンペイの遺跡には驚かされました。
2000年前にあれだけの大規模な町があり、設備もあったなんて、
大浴場には、床や壁から蒸気が出るサウナルームもあったというから驚きです。
改めてヨーロッパ文明のすごさを思い知らされました。

 南イタリアの二つの世界遺産もよかった。
 マテーラの洞窟住居群
日本で言えば貧民窟ですが、あとで写真を見たら絵になるような美しい風景。
中では家畜と同じ部屋で同居していたというから驚きです。

アルベロベッロでは「トゥルリ」という石と漆くいでできた白い壁に、
黒い石を積み上げた三角屋根のかわいい住居群。壁はなんと1メートルもあり、
雪が積もる冬の寒さも、48度にもなるという夏の暑さをしのいでいるとか。
家の中は外気と20度も違うというから驚きです。
先人が考え出したエコロジー・ハウス。

 シチリアに渡って、最初に訪れた、
紀元前3世紀に造られたタオルミーナの古代ギリシャ劇場もすごい。
美しいエトナ山と地中海を舞台装置(背景)にしたというのだから洒落ている。





 シチリア島南部のアグリジェントにある“神殿の谷”これもすごかった。
シチリア島って不思議なことに木が少ないのですよね。
日本の山ってたいがい木がいっぱいで緑の山ですが。
この丘?山?も殺伐としていて風がきつい。
こんなところに紀元前6〜5世紀にどうやって20もの大きな神殿を建てられたのだろうか?




 シチリアのワインのこと

 最後のシチリア島のパルモアでの夕方、少し時間があったのでホテルの近くをブラブラ。
途中で出会った添乗員さんに教えてもらったワイン屋さん。
行ってみると飲め飲めと小さなコップにたっぷりワインを次々注いでくれ、
「どうだ?」と聞いてくる。

けっこうおいしかった。一つ買おうと頼んだら、
大きなタンクからミネラルウォーターの空きペットボトル2リットルに詰めてくれた。
値段を聞くと2.2ユーロ(1ユーロは140円くらい)300円ほど。
聞き間違いかと思い怪訝な顔したら、わからないのかと思ったらしくレシート打ってくれた。
やはり2.2ユーロ。最後の夜だったので、碁を打ちながらみんなで飲みました。

お店のおじさんはとても親切だったし、安くておいしいワイン・・・
機会があればまた買いにいきたいな。



絶品のウニのパスタとオレンジジュース

 向こうでは食事の前菜はパスタ。いろいろなのが出てきて楽しかったけど
タオルミーナのウニのパスタは絶品。
途中のドライブインで飲んだオレンジジュースは新鮮なオレンジを
3個まるごと放り込むと出てくる絞りたて。

 今回はけっこうハードスケジュールで碁を打つ時間はあまりなかったけど、
凄い文化遺産と、楽しい碁友との思い出いっぱいの素晴らしい旅でした。