ヘラクレス 両面式のカメオ



大英博物館の文物

                                        2015年12月9日

                                           高野圭介

大英博物館展
神戸博物館に足を運んだ。大英博物館の文物に触れた一日だった。

   

ウルのスタンダード
大英博物館所蔵の700万点の中から100点が展示されている。
70000分の1の出展。 一口に言って、葦の穴から天覗く程度か。

ロゼッタストーンは複製が展示されていたが、当然だろう。
目玉はやはり「ウルのスタンダード」。 これは本物??

   

カール五世
カール五世皇帝は神聖ローマ帝国中世ヨーロッパ最後の栄光と言われる。
彼はハプスブルグ家の総帥として、大活躍し、名君の名を残した。

1556年、カール五世はついに引退し、スペインに隠居しました。
退位式の時、彼はこう述べています。



「私は、ドイツへ九度、スペインへ六度、フランスへ4度、
アフリカとイギリスへは2度ずつ渡り、また去った」。


ヘラクレス
両面式のカメオ


(直径5センチ)


展示品の中に「ヘラクレスのカメオ」を見付けた。



カール五世皇帝とクレメンス七世教皇は元来犬猿の仲なのだが、
つまり、皇帝と雖も教皇には頭が上がらない。
教皇にしても、いよいよとなれば、武力には従うしか無い。
時恰も、ルターの宗教改革に対して、共同して対処せねばならかった。

こう言った世相の中で、二者は親密に歩み寄った。

1930年の戴冠式に皇帝から教皇に贈ったという
両面式のカメオ。
表はヘラクレス。裏はヘラクレスの愛人:オムパレー

ヘラクレスの像


なぜ、カール五世皇帝とヘラクレスか?

真相は分からないが、皇帝がヘラクレスを崇めていた。
そして、宮殿の柱にヘラクレスの像を彫り込んでいた。

そのような記述はあるが、ヘラクレスの柱として伝えられる
ジブラルタル海峡に纏わる伝説を評してのことだろう。