高野圭介 百人一譜

      
 

本格派・高品質・ヨム力

「手抜きして打ちたいところに先着したい」と碁を創る心がある。

白 高野圭介 vs  5子 表 悠斗

コーストタワー最上階サロン    2015922日(火・国民の休日

246手完    白5目勝ち



                                    自戦記   高野圭介



強くなる過程



 
悠斗君は強くなった。
前に打った時より遙かに伸びている。

参考までに「才覚溢れる着想にビックリ。悠斗君の驚異
2015年5月、家田会の5子局をご覧下さい。


出来上がりつつある。ここに「つつある」というのは
発展途上中未完成ということである。

碁というものはいつ強くなるかというと、私の経験では、
「あ、そうか、これが分かった限りひょっとして一段強くなったぞ」
ということが百回あって、全然強くなっていない。

ところがある日、溝をヒョイと跳び越したみたいに、
碁がピョコンと跳ね上がっている。そんな感じだった。


碁が強くなる過程では、
中を打ったり、地に辛くなったりして変わる。
本局の黒さんは「手抜きして打ちたいところに先着したい」
という気分がいっぱいで、好感が持てた。

ただ急所で、攻め、キカサレ、味悪、手処の技術、手が見えない、
などなどが散見されるが、致し方の無いところ。



            囲碁動物園      表 悠斗作

(10月の碁吉会25周年大会でお目見えです)

悠斗君は8歳:小学2年生です。
夏休みの宿題に「囲碁動物園」を作りました。
19路の大盤に9匹の動物が居て、それぞれの星の上に屯しています。
柵の中に居ますから、外からは見えません。

         

さて、その動物は何でしょう?探して下さい。




本格派・高品質



とは言え、猛烈に強い!と感嘆した場面もいっぱいあったし、
何よりもケレン味無く、手厚い碁が本格派・高品質と手放しで褒めたい。


今回でお会いしたのは二回目ですが、
悠斗君はにこにこと落ち着いてとても素直な良い子です。
碁も碁だが、そう遠くない将来、
素晴らしい青年に成長されることを陰ながら夢を見ています。




階上サロン・対局風景    天谷敬一先生の指導碁




ちょっとした問題点
黒12上辺ヒラキならば、14とキラずに中からハネる。
あるいは、ヒラカないで、90に打ってキリに備えておく。

黒20は白17の左にツケたら、白は応手に困る。
つまり黒20は形もダメだし、筋もダメ。

本局一番の問題手
本局一番の問題手は黒42の二間トビである。
125とケイマして、二子を攻めるところ。
攻めないで、上に二間でツナイで逃げた。しかも、
二間が薄く、後に、白71と迫られて窮した。

以下は略する。

感心した強いところ
打ちながら感心した強いところ、二つ三つ。
左上隅、黒88オサエ。

しっかりヨンで、中央黒128からどんどん
白をもぎ取って大きな黒地を確定させた。

ヨセの手筋に泣いた。
右辺の白170オキ。
左辺白193〜195で困った。

白マジックへの対応
終盤、白は手品みたいなことをやって、ようやく追いついた。
並べて、白一目残った。幸運であった。

最後の白マジックの対応さえ巧くやれば完勝している。
一年先は、三子になるかな?