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頭を叩け


                                    高野圭介

時太山
時太山がビール瓶で頭を叩かれて死亡した。
いや、めった打ちに遭って、とか、さまざまなリンチが原因とか。

 頭というのはどんなスポーツでも、格闘技でも攻撃は禁物である。
頭だけは鍛えられないというのだ。

 相撲でも、張り手、頭突きなど顔面は良いが、相手の頭を、
特に後頭部を攻撃しないことになっているものを。

「2目の頭」
「2目の頭」は碁の基本中の基本である。
相当キビシイ。

「4本鼻は叩かすとも、3本鼻は叩かすな」というのもあって、
その3本鼻より、遙かにキツイ。
ここで言う「鼻」は「頭」と同義である。

強烈な圧力
「頭を叩かれる」のに、対抗出来るのは「フクレ」と「キリ」しかない。
「フクレ」はハネに対応出来る強烈な圧力が掛かっているのである。


頭に関する
いろんな格言

 
「頭を出す」のを封じるのは「封鎖」である。

「頭を下げる」のは、いっぱんに「お辞儀する」とも言われ、
へこたれた姿を言う。

「頭が下がる」と、敬服するのとは大違い。


「車の後押し」
「頭を叩かれない」
方法は一つある。敵より一歩先に出ることだ。
つまり、悪手と言われる「車の後押し」のことだ。


しかし、「車の後押し」も佳手だ、という
家田隆二八段の卓説がある。

<クルマの後押しは悪いというが、
かなずしもそうとも言えない。
4線でも5線でも中央でも押せるところは、
グングン押しまくるのがよい>

家田隆二八段 vs 4子 松本倶之(2005.Feb.3) 松本自戦記


「禍福は糾う縄の如し」
いわば縄を白黒で、あざなっているとき、
白か黒か、どちらが先か?

今日の禍は明日の福かも知れないのだ・・・と。