一着の価値の格付け

碁とはいったいどういうゲームか?  第2弾


先着の価値・一着の価値

  

 二律背反の世界・碁とはいったいどういうゲームか?
 

                                                              高野圭介



デフレスパイラル




昨今の日本の経済がデフレスパイラルに陥ってきた。
つまり、日本経済トータルのパイが縮小に向かっている。
スタグフレーションとも言われているが

インカムの働き手の減少が一つの大きな要素だが、その働き手の収入が総じて減少している。
この二重の減少は自乗のマイナス価値を生んでいるではないか。

問題は果たして、この二つの要素がプラスに転じる方法はあるのか?
端的に言えば、失業率と、月給・ボーナス。企業の業績アップ・・・がいつ頃好転するのか?


かって、イギリスのサッチャーが「ポール・タックス」=全国民に対して
一人頭の税金を掛けるという人頭税を提唱して、失脚したことがある。


もし、日本で、今、個人の収入増を図らずに、同じく人頭税を掛けたらどうなるか?
やはり、経済アップの前向きの施策は時間は掛かるが、
人口増加の「子造り」から始めねばならない。しかも有能な子孫造りです。

それまで、どういう施策があるのか?将来に備えられるか?




棋力に応じた
価値が違う。

格付けが違う


そのまま
一着の価値を追う
 


私は前に、碁は一手の価値の累積です。と言った。

http://gokichikai.on.coocan.jp/essay-sentekati.html



一手の価値の累積論


碁盤は広いから、
禍を以て福と為す式の戦術転換も可能であるとはいうものの、
冒頭の、碁は一手の価値の累積には変わりありません。
一手の価値の追求こそ、碁の真髄という・・・一つの真理があります。



囲碁哲学のジャンル

囲碁の真理の追究、それは囲碁哲学のジャンルです。
いろんな角度から先人は洞察しています。

碁は調和なり、碁は変化なり、碁は詰め物なり、云々。
中に、碁の先手必勝についての考察もあります。
これは五路盤までは間違いなく先手必勝です。
七路盤より広くなれば先手有利程度です。

どの程度有利かというと、盤の広さに関係なく、
1子の価値が13〜15目程度の感じ。それが定説でしょう。

先手の価値と一着の価値について

一着の価値を信じて、盤に向かうとき、奇策を取らず、正着に徹し、
後手の先手を尊重し、決して焦らない。風格さへ醸し出てくる。 


全くその通りで、他に何の疑念もありません。
ただ、新たな問題が浮上して参りました。

つまり、
碁の一着には棋力に応じた価値が違うと言うことです。
例えば、プロの一着。アマ有段者の一着。アマビギナーの一着。と、分けて考えましょう。


まさしく格付けが違うと言うことが瞭然です。



緩慢なるインフレ


現実的には、序盤で、プロは一手20目の価値の石が2〜30手は続きます。
アマ有段者は15目ぐらい。ビギナーは10目ぐらいと、一着の有効価値が低くなります。
それで、デフレスパイラルのまま終局してしまう。

ここに、一局の碁で、緩慢なるインフレに転換する施策を可能にさせる・・・置き碁の打ち方・・・
一着の価値の格付けが違うというのが、上手に対する考え方ではないでしょうか。