囲碁のダブル・スタンダード



                                                             高野圭介


 今、普天間問題で、民主党政権の内部が揺れに揺れている。

福島社民党党首は「鳩山政権の態度はダブルスタンダードだ」と、酷評しながら、
「自分は大臣は辞めない」と意地っぱる。

つまり、鳩山首相が本音と建前を使い分け、意見・立場に『二重の基準』を設け、
少々の矛盾など、意に介しないことをを指摘しているようである。

ここでは、今の政治の善し悪しを論じようというのではない。
二重の基準・俗に言う二枚舌・ダブスタ(ダブル・スタンダード)を論じよう。


碁の陣形占い



 事例 1.

勤勉と自己成就


「リンカーンが夜遅くまで働いたことは、彼が勤勉で、不屈の意志をもち、
一生懸命に自己の能力を発揮しようとした事実を証明するものだとされる。

ところが外集団のユダヤ人や日本人が同じ時刻まで夜働くと、
それは彼らのがむしゃら根性を物語るものであり、
不公正なやり方で競争している証左だとされるだけである。」

「予言の自己成就」著ロバート・K・マートンより。

 

事例 2.

性規範のダブスタ




日本においてダブル・スタンダードの問題が提起された。
男性に適用される道徳基準が女性には逆に作用するという社会的現実だ。

その古典的なものであるが、「
性規範のダブル・スタンダード」である。

つまり、男性に対しては未婚であろうと既婚であろうと
、ある程度の性体験の豊富さが許容され、ときには推奨さえされるのに、

女性の場合は性体験の豊富さは逆にかなり否定的に見られるということである。

つまり、性行為に対する道徳基準が男性と女性とでまったく逆になることになる。

 
事例 3.

核と原子力


核兵器は危険だ!と言っておきながら  一方では
「原子力は二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーなんですよ」といって
原子力発電所を立てる。これってダブルスタンダードとなります。

 
事例 4.

囲碁のダブスタ





無用の用を為す
「厚み」

 
 
囲碁のダブルスタンダード で、「潜って、地に辛く打つ」のと
「地には目もくれず、厚みを築いて打つ」この二重規範がある。

どちらも素晴らしい手法だ。
でも、両者は矛盾していて、二者択一しかない。

しかも一局の碁の進行途上にどちらか
一貫性を持たせることが大切とされる。


ところが、どこかの時点で、
一貫性が変身して、厚みを地に変える転換の魔法が施され、
死なない地を厚みを破る突破口とするなど、
「矛盾に充ちた」一貫性のない別の判断を迫られることも生じ、
それぞれの事象につけるような行為・着手を取るのが正しい態度となろう。

今、魔法を施す・・と表現したが、
「厚み」というものは地を産み出す「無用の用」の魔力が潜んでいる。
だからこそ、二枚舌の如く見えるのだ。

これが、
囲碁のダブルスタンダードの一例だろうか。