若 愚 考

                                                             高野圭介



 
夢前仙人
 播州姫路の最西端に夢前川が流れている。
大正時代には、河畔に、人呼んで「夢前仙人」が住んでいた。
仙人はいっさいの殺生をしない。蚤・シラメ・ムカデなどと同居して、
独り虫らと睦まじく暮らしていた。

まるで一休和尚が髑髏を掲げて、人の道を説いたように、
仙人は、長い棒を持って人を諭しながら村を歩いていたという。


木でもない鉄でもないぞこの棒は日ごと働く人の辛抱

                               夢前仙人


村人には仙人を狂人・愚人と映ったかも知れない。
しかし、仙人はそういった人の概念を超えていた。
つまり、若愚。愚のように見えて、愚でないぞ、と。

このことは「アホの部屋」に詳説しているからご笑覧を。

ルーピー・鳩山
たまたま過日、
我が敬愛すべき日本の鳩山首相が「私はオ・ロ・カかも知れませんが・・・」と
自分で、自嘲気味に述べたのである。

まあ、本人が言うのだから間違いないとは思うが、
問題は、ほんとうに愚人と(卑下して)言ったのか、若愚と(自慢して)言ったのか?

出来ないことをすると、約束することを「ハトる」と言うのだそうだ。

ルーピー・ハトヤマの真骨頂である。

カネマミレ・ミンシュ
政治というものはまつりごと。
広く国民から税という形で金を集め、予算ないし執行という形で金を使う。
そして、国民を幸福にする。

私はそういうものだを思っている。
だから、捷に当たる当の人達がカネマミレになると、国民は不幸になると信じている。
したがって、現在のカネマミレ・ミンシュ政治は国民不幸の真っ只中にあるのが哀しい。

オロカ鳩山は半分ヤケクソになっている感がある。・・・そう見える。




碁の品格


碁を打っていて、盤上が今の日本のような感じで、手合い違いのような状態なら、
いち早く投了しないと、人の口に掛かる。碁の品格を問われる。

それでも、オ・ロ・カ鳩山は「私は若愚で、オロカに見えるだけで、
実は中身はしっかりしていて、この碁も勝っている!ぞ・・」と嘯いているようだ。
これを厚顔という。

つまり、自分で、オ・ロ・カと悲しみを込めて自認しながら、
厚顔のまま、まだ居座っている。

こういう人が居るから、若愚はもっと高品位の意味かと思っていたら、
二段程度の品格を表す言葉に留まっている。

若愚が泣いている
でも、私は若愚という言葉は大好きで、中国で言う難得糊塗だ。
嗚呼、若愚が泣いている。