賭け碁の真剣師

バドミントン桃田賢斗:裏カジノ騒動に思う



                               2016年4月21日

                                高野圭介

ジャンケンに強い 
 ジャンケンは誰が考えたものだろう。
不思議なことに世界中同じで、同じ方法で各国にある。

三人が皆別の時、三すくみになる。これほど先の分からない
平等な賭はないが、中には「ジャンケンに強い」と言いきる人が居る。
やはり、何らかの「勝つ法」もあるらしい。



これとても突出は暫しの間で、いつかは確率論通り平均化されるかな?

 一寸先は闇
 事業といっても、虚業と実業の二つに分けられる。
最も実体のある実業の世界でも、シャープ・東芝に見られるように、
予測が狂ってきたら、賭に敗れたと烙印が押される。

一寸先は闇という人生に於いて誰しも
幾度ともなく剣が峰に立ったことだろう。

「危険で賭などやらない」という人も賭けるということから
逃れることは出来なかったはずだ。

 賭の場が悪い
 勝負の世界で賭の対象にならないものは無い。
ゲームのin door out door に限らず、賭の対象になる。
相撲,野球、サッカー、etc.

 面白いことだが、カジノとか宝籤のような公認市場では善で、
昔は斬った張ったの鉄火場と言った
ヤクザの開帳するような闇の賭博場は悪だ。



 昨今、バトミントンの桃田賢斗の裏カジノ事件があった。
賭そのものが悪でなくて、賭の場が悪いのだ。

prize より pride
 ゴルフでも握らないと出来ない人も居る。室内ゲームでも、
麻雀は賭けないと面白くないと言われる。



そこへいくと、囲碁は奥が深いからか、
賭けなくとも面白い。prizeより pride の世界である。

真剣師物語 
 とはいえ、昔から「真剣師」と呼ばれる賭け碁打ちが居た。
いろんな賭け碁の形態があったらしい。



例えば「五.一」というのは、台が\5,000、目が\1000.
つまり、一局\5000.で、10目単位で、\1000.だから、
25目負けら、\8000.の勘定という計算だ。

「碁キチ行状記」安永一p.62 に、賭け碁物語として、
面白い話が山ほど載っている。


数ある真剣師の中で、生涯財を残した人は少なく、中では
近在の人では、淡路の化け物・四宮米蔵がいる。

橋本昌二九段の父君・橋本国三郎もその一人。
国三郎の賭け碁遍歴をある夜、縷々聞かされたことがある。

 又、石川県に北陸の虎と呼ばれた高林恭平という碁打ちが居た。
風の便りによると、
さるプロの九段が高林恭平に賭け碁で100万円負けた。
その後、精神的に立ち直れなくて、
大手合いで碁が打てなくなったことがあるとか。
プロと雖も賭け碁の怖さである。

 和局を目指す
 かく申す私:高野は賭け碁とは無縁である。賭け碁そのものが嫌だし、
勝ち負けで折角の友人を失うことの方が大きい。



 第一「碁は勝敗を争うものでなく、持碁の精神で、和局を目指すもの」
と喝破している人が居る。佐々木滋男その人だ。
             「すざら碁仙」p.168より