「NO」を考える

cf: 高野エッセイ 「No game」



                                                        高野圭介

 
「ノーゼイ」  
納税期限のことをTVが報じている。

税金なくして国家は成り立たないが、
徴税の総元締めの政治家二人が脱税の手引きを天下に公表して、
脱税王と伝えられては、国が歪んでくるのは致し方あるまい。

「ノーゼイ」と聞いて「ノー税」(税金を納めない)のことか、と思ったくらいだ。
酷い時代に出くわしたのも運命か国を憂う者にとって、腹立たしい。

「ノーテンファイラー」
もう、5〜60年も前の、戦時中こと、
ちょっと頭のいかれたのを「ノーテンファイラー」と言った。
後になって中国語の
「脳天毀了」のことだった。

「ノータリン」脳が足りないに通じている。

「ノーと言える日本」
やがて「ノーと言える日本」がスローガンとなったこともあったが、
今、沖縄問題でも「ノーと言える日本」は夢なのか?
やはり長いものには巻かれろ、か。

「ノーテンキ」  
同じ「ノー」でも、「ノーテンキ」と言うのがある。
【能天気/能転気/脳天気】と、書くのだそうだが、
のんきで、安直なこと。また、そのような人やさまとある。
「のんきなかあさん」のように使った。


cf: 高野エッセイ

No game」





その昔、
私はNHKの「外から見た日本」という
鈴木健二の座談会に招聘されて出席したことがある。

その放映を見るのは面映ゆかったが、
その時、私がしゃべったのは「ノー・サンキュー」のことだった。
英語で、No thak you は「要りません」だが、日本人が話す時、遠慮が入ってきて、
no! but yes と、二つの意味を持つことがある。

そのようなことを言った。

万国共通語の「ノー」は

いささか
言い過ぎか?

英語で、no の使い方はやはり独特。
Time waits for no man 「歳月人を待たず」
「禁煙」は
no smoking

最も面白いのは
、yes は通じないところもあるが、
no,non だけは否定として世界中どこでも通じる。
万国共通語であることだ。と、思っていたら、

言語文化研究家・井元教授より、
「それは言い過ぎかな」という有り難いご指摘を戴いた。

おお、汗顔の至り・・・・・
でも、通じる・・となると?

http://homepage3.nifty.com/taketoki/kuraberu.html

否定文には n の音が
含まれる?
 


否定文には n の音が含まれる?

英語 ドイツ語 フランス語 エスペラント イタリア語 ハンガリー語 ロシア語 日本語
no nein non ne no nem нет  
not nicht ne ne non nem не ない

このように否定文や否定の要素にはの音が含まれる、かと思いきや、
韓国語で ne というのは「はい」のことだ。

これだけかと思ったら、
現代ギリシャ語でも「はい」のことを
ne と言う、と知ってびっくりした。
ちなみに「いいえ」はοχι「オヒ」


 

言語学と、

「通じる」は違う?

 

さて、今の日本での会話を見よう。
「それでは、ハイ、イイエで、答えて下さい」とは言わないで、
「それでは、イエス・ノーで、答えて下さい」と、このように言います。
どちらが普通でしょうか?

現今のテレビは原則として、標準語でしょうが、
否定に、古来日本語の「イイエ」を聞くことは稀ではないですか?

日本語
 
ない

実際は
「ノーはイイエより、日本語的なのですよ。」
つまり、世界語として・・・・通じる。と、言っていたのですが。
韓国でも、たぶん、そうだと思いますよ。