石間万事マンボウが海

                                   高野圭介


運動不足
2008年正月の休日がやっと済んだ。
私にとって、やっとである。

年末から言えば10日も余って、
いろんなスポーツから締め出されてきた。
運動不足で、身体が何となくぎこちなく、
ぎくしゃくしている



北杜夫の
マンボウ





ふと、北杜夫のマンボウの話を思い出した。何でも、

医者が、もっと、運動なさい。と言うのだが、
私は運動なんて面倒くさくてまっぴらだ。
あの、マンボウを見なさい。
運動なんかしないで、海の中をゆったりと漂うていて
美味しいものを見つけては食べて、
糖尿にもならず、いいですね。
人間さまだって一緒だよ


この見違えるような違いは何だろう!


大きい個人差
どうも、人さまざまで、運動なんかしなくても、
筋肉は柔らかく、衰えない人もいるし、

運動しても、返って下手な使い方をして、緊張を高め、
張ったり、凝ったり、藪蛇になる人もある。

その、個人差は大きい。

その中庸をいくような・・・と言っても、
どちらかに傾く傾向はあるだろうな・・・と考えていた。

ファイタータイプ
つい、先日、坂口隆三九段が、私の碁を評して言った。

高野さんは根っからのファイタータイプ。
戦線をどんどん戦線を拡大し、
戦いの中に勝機を見出していく。
いや、
戦いの中に戦機を見出すといったところだろうか。


柳に風式
つまり、筋肉質の碁で、良きにつけ悪しきにつけ、
接触して心ゆくまで戦う剣士のような碁。
とでも言うのかな?

ぎしぎしと火花を散らせても、
のらりくらりと柳に風式が出来ない
棋風と相成ってしまっている。

それが裏腹になると、面白いことも起きる。



筋肉質を
百も承知


先日、初打ちに、家田先生の指導碁に臨んだ。

先生は、私の師範だけに、私の筋肉質を百も承知で、
格好の攻めさせる石を作って、罠を仕掛けられた。

私はいたずらに攻めないで、ひたすら厚く打った。

マンボウが海
面食らったのは先生。

その時の、白石の表情をご覧あれ




鮫が来ると予定して疲れさせて仕留めようとして
いたところへ、マンボウが漂うてきたみたい。
結局、黒マンボウに名を成さしめた。

おお、石間万事マンボウが海