囲碁の品格

                                           高野圭介

碁に親しむ
「碁と親しむ」という言葉は大好きである。本来、好きでないと親しめないが、
取り組むスタンスの問題だ。

1.碁を打つ。2.碁の打ち方を調べる。3.碁自体を考える。
これを端的に言えば、1.実戦。2.鑑賞。3.学習。

 さて、碁との取り組みはその人の棋力相応にしか出来ない。 
例えば、棋譜を見ても、自分の棋力以上には理解できないし、学習も交流も然り。


わび・さびの碁


囲碁九品
 中国では碁品のグレードを九つにランク分けしている。
ここにいう品とは品質、品格で、したがって、単に碁が強いだけでなく、
品格が伴うてくる品の称号である。

品はインドの教典から来ているそうで、「ヒン・シナ」でなく「ボン」と読む。

 因みに
九品は、九段は入神、八段は座照、七段は具体、六段は通幽、
五段は用智、四段は小功、三段は闘力、
二段は若愚、そして、初段は守拙である。

  これを見ると、六段以上は抽象的で、五段以下はそのものズバリで
分かりがいい。中でも、若愚、守拙は格別素晴らしい。

強い,弱い
ところで、アマの碁は一口に段と言っても千差万別。
はっきりした線引きがあるものではなく、実は強い組と弱い組の二つに
大別するぐらいがちょうど良いという説がある。

その境目、
弱い組の旗頭が3段。強い組のしんがりが4段。
そのくらいとご理解している。


上手と下手の対照


段の免罪符
段の免罪符があるとすれば、ルターならずとも棋界の堕落!
浄化の狼煙が起きぬまでも無い。

 私の近辺に8段昇段記念集会に呼ばれた。と連絡が入った。
私も喜ばしいことと、諸手を挙げた。

やがてそれが問題集の10年満点を10題クリヤーして、克ち得たものと知った。
それなりの価値はあるのだろうが、私はうら寂しい感じに陥ってしまった。

諸々の段
 その昔、頭山満の観戦ぶりが見事で、観戦初段を贈られたことがある。
岸信介首相は生前、当時無かったアマ・8段を贈られた。
かく申す私・高野は橋本宇太郎師から国際6段を戴いた。

 駄洒落で、囲碁知らん(4段)無段(6段)やらん(8段)などもある。