井原のおもしろ詰碁の真骨頂
詰碁の天才・井原嗣治さんが、まる一年詰碁を作り続けて2,700題。 見事な記録を樹立されました。一日平均7題という快記録です。 井原さんはひとりでこっそり作ったのではなくて、 しょっちゅう「詰碁作成講習会」を催したり、 作成の秘伝を公開されてきました。 いつも「碁は楽しく、面白く打ってこそ価値がある」が口癖で、 いずみの会(碁吉会大阪道場)の開設にあたっては、 「みんな仲良く、楽しく陽気に、感謝を忘れずに碁を打とう(生きていこう)」 と井原嗣治さんが提唱し、誓い合ったもので、 井原嗣治さんの真骨頂というものです。 詰碁についての蘊蓄は並のものではない。 井原嗣治さんならではの含蓄に富んでいる。 「やさしい詰碁・おもしろい詰碁がいい」 「解答の第一着手は分かり易いのが良い」 「左右対称形は創作初心者にとっては作り易い」 「数を作っていくと、中にはとてもおもしろいのが出来る」 「自分の力量ではスミの詰碁は完成度がとても難しい」 「中央の詰碁は石数の多い割には鮮やかさに欠けて、難しい」 「私は殆どが辺の詰碁で、初心者向きの易しいのを心がけた。」 特筆すべきは 「基本的には先例のある作品との照合は全く出来ていない。 けれどもその代わり、盗作などは一切無い」 黒先白活とか失題などがあったときなど、落ち込んだりせず、 これは大きな財産で、一つダメを空けるとか、ちょっとしたことが 逆に素晴らしい作品に変身出来るところの詰碁の宝庫なんだよ」と、 青年のように目を輝かして語られる。 |