刮目して見たハングルの学習−4 cf:刮目して見たハングルの学習−1 cf:刮目して見たハングルの学習−2 cf:刮目して見たハングルの学習−3 高野圭介 |
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最後の授業 |
イ・オクスン先生の最後の授業である。 過去六ヶ月間の集大成として、熱の入った講義だった。 ーーーイ・オクスン先生の言葉ーーー 「皆さんは理屈が分かったら、慣れることです。 書いて書いて書きまくって覚えなさい。 口に出してしゃべって覚えなさい。」 この先生のスクール式学習はまったくその通り、と合点した。 私はハングルの学習もさることながら、 韓国の歴史・文化・社会にも触れて、 刮目して見る素晴らしい機会を得た。 近い将来にも、 今の知識が更に深まっていくのが予感出来る。 |
韓国の孝道 | 韓国では孝道というのがあって、 親のその親・・と、四代前まで祀るしきたりとなっている。 それはいわゆる忠道より優先する。 これは子孫から見れば、同じく四代だから、 自分を中心に置けば、八代祀ることになる。 棋友・大西康司さんが言っている。 寸分変わらない話だった。 「人生運の強い人は七代を見ることが出来るという。 私自身現在では、祖父母、父母、私自身、娘と四代を見ている。 私が九十歳まで生きると、孫、曾孫まで六代となり、 180年になる。その将来に残せることは囲碁しかないと、考える」と。 『すざら碁仙』碁吉会編p.84 |
朝鮮の儒教 | 朝鮮の儒教は、比較的新しく、 13世紀後半中国の宋から入ったとされている。 この孝道は朝鮮の儒教の興隆が大いに与って力になっている。 現在、一歳でも年長者には格別の敬語で相対し、 乗り物の中で、年寄りに席を譲らない若者は居ない。 血縁を極度に重視する風土がある。 儒教・孝道のもたらした結果だが、 それが本貫(=日本の本籍に近い)の血縁団結と思う。 |
朝鮮の苗字 |
朝鮮の苗字を俯瞰するに、 一文字では、韓国の姓のトップ5は 金(キム)、李(イ)、朴(パク)、崔(チェ)、鄭(チョン)の五つで これを五大姓といい、全人口の半分以上を占めるといわれている。 他に、韓・蔡・王・などなど。 二文字姓では「司空(サゴン)」「南宮(ナムグン)」「皇甫(ファンボ)」など 苗字の数はかっては250ばかりであったのが、 現在では増えて、400ばかりと言われている。 |
本貫について | 本貫は貫郷とも言い、日本の本籍に当たる。 同姓でも、出自をはっきりさせる。 ここに出自とは、いわゆる血筋で、 文化人類学上で、 個人が出生と同時に組み込まれる、 特定の祖先を共通にする集団を決定するというものだ。 出自は族譜(チョッポ)を創る。日本の系図に近いか。 たとえば、慶州李氏。寧陽趙氏・・というように。 |
族譜の争い | 族譜は多岐の派(バツ)に亘っており、その派数で見ると、 金が280派・李が240派・朴が150派と言うような実態がある。 朝鮮ではかって官僚が文班と武班の両班官僚による中央集権組織が確立し、 両派の党派争いが激化したが、 1800年頃から王氏と金氏との熾烈な勢道政治争いに取って代わった。 |
歴史認識 | まず、王氏の垂廉政治に始まり、やがて、金家が台頭した。 この金氏は安東という本貫を持つ「安東金氏」であった。 cf:安東市・河回仮面(ハレタイ)の祭り cf:http://gokichikai.on.coocan.jp/seoul%20insandon.html 両者の内紛に近い争いに、日本、ロシアほか、外国からの介入も激しく、 後に、それが日韓併合、閔妃(ミンピ)暗殺という暗い歴史につながるのだが。 cf:李朝後継者の不審な死:日本と朝鮮の因縁の歴史 http://gokichikai.on.coocan.jp/seoul%20koukeisya.html cf:『閔妃暗殺』・・・朝鮮王朝末期の国母・・・角田房子著 |