喝采・村川大介の歴史的勝利・・・第3報

                               高野圭介


碁吉会は1990年以来25年の歴史があります。
その間、格別に素晴らしい碁縁に結ばれた神童が二人います。
それは井山裕太と村川大介の神童二人であります。

ご存じ、井山神童は碁吉会の会員として、因島で碁盤を並べて碁を打った。
村川神童はおたふく山のトントン会での囲碁合宿に一緒に枕を並べた。

二人の神童が、全く予想した通りに、いや予想をはるかに超えて立派に成長して、
全国の碁吉を釘付けにするタイトル戦を戦うとは・・・、

このたびは焦点を村川大介に絞って、話を進めます。

                                高野圭介


第62期 王座戦 本戦
※全互先・・・先番6目半コミ出し、持時間・・・各3時間、秒読み・・・残り5分前より
挑戦者
村川大介七段
[ 棋譜再現はこちらからどうぞ。初手から終局までご覧いただけます。]
決勝 林漢 村川
準決勝 安斎 林漢 村川 王立
2回戦 安斎 瀬戸 林漢 中野寛 村川 河野臨 王立 松本武
出場棋士







































































第62期囲碁王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定戦が11日、
東京都千代田区の日本棋院で打たれ、午後4時52分、
147手までで黒番の村川大介七段(23)が林漢傑七段(30)に中押し勝ちし、
井山裕太王座(棋聖、名人、本因坊、天元、碁聖、25)への挑戦権を獲得した。
村川七段が七大タイトル戦に挑戦するのは初めて。


特別寄稿

いよいよ村川、井山時代の幕開け!

                        2014年9月12日  浜辺 荘

僕の予想通り、王座戦挑戦者決定戦は村川七段の勝利に終わりました。
井山6冠は最も難敵を迎えたことになります。

棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、プロ棋士が一度は手に入れて見たいと
憧れるタイトルをなんとまあ、六つまで手にし、ただ一つ残された十段も獲得して、
全タイトルの独占を目の前にしていた、井山6冠に立ち塞がったのは、
村川七段と同じ関西棋院に所属する結城九段でした。

結城はNHK杯選手権で2009年より、6回の内、5回も優勝する
超離れ業を成し遂げた異彩溢れるプロ棋士です。
(注:結城九段は入段早々1年間、守拙会{碁吉会の前身}で指導を受けた)

NHK杯は1回戦から決勝まで5連勝してやっとタイトル奪還となりますが、
結城九段は決勝で井山6冠を2度も倒して、
過去誰もが及ばないNHK杯5回優勝の金字塔を成し遂げたのでした。
彼は持ち前の破壊力で井山6冠から十段のタイトルをもぎ取り、
井山7冠の夢を水泡に帰したのです。

そして又今日、
井山7冠の夢を阻止する強力な刺客が、関西棋院より名乗りを上げました。

「負けない碁」を打つ村川七段と、日本の囲碁界に現れた超ウルトラ勝負師、
井山6冠のタイトル戦を最も喜んでいるのは、ハテ誰なんでしょうか?

そsれは手解きをした碁キチの父親でもなく、
星目風鈴から指導したアマ高段者の金山晴一先生でもなく、
師匠の関西棋院プロ棋士森山九段でもなく、関西棋院の重鎮の方々でもなく、
村川 vs 井山の歴史的なタイトル戦を、独占的に報道する権利を有する
日経新聞であろうと私は考えます。

昨年もう少しのところで、棋聖戦の読売新聞が、報道できるはずだったタイトル戦を、
トンビに油揚げの如く奪われた読売新聞は、とても悔しがっているに違いないと、
私は見ています。

日本の大新聞が喜び、悔しがる程このタイトル戦の持つ意味は
計り知れない大きな意味を持つのです。

 


村川大介の碁は戦いの碁を得意としていて、バランス感覚も磨かれ、安定感抜群!

井山裕太を追う若手の代表格として自他共に許している。
その、他とは誰あろう、井山自身であり、井山は「村川が飛び抜けた強敵!」と喝破し、
高く評価している。
しかも面白いことに、井山と村川はとても仲が良いのです。

ここに、挑戦者決定戦の碁をご紹介しよう。

本局の碁の流れと棋聖戦予選リーグの結城聡との一局の流れ
瓜二つに近いほどよく似ていることに驚いています。
                                高野 記



互先 林漢傑七段  vs  先番村川大介七段

              先番6.5目コミ出し

147手完 ・ 村川七段 黒番中押し勝ち



地を取りながらシノギが見えたときは、悪くないかと思いました。
本戦決勝まで運が良くて、予選、本戦と半目勝ちが2回ありました。

王座タイトル戦に当たり、過去の対戦成績は全部完敗の三敗です。
この成績はお話にならないほど離れていますが、
手の内はお互い研究会などで知り尽くしていると思います。

インタビューに応えて、村川の弁から