対局着眼要点

打ち碁理論の集大成に代えて



                                                高野圭介




碁を創る力



 対局に際しての心構えというものがある。 綠星学園・菊池康郎先生の言葉で、囲碁界で注視の作法である。

「好きなように打つこと」で、自分流に徹する。 碁盤を前にしては、しばしの沈思黙祷で平常心に浸らす


盤外の戦い


1.気合い充実。   自分を信じ、相手を怖れない精神を醸し出す。

2.姿勢を正す。  碁を打つ時の姿勢。盤上の石の姿。この双つ。


基本に忠実


1.着手の三悪   やたらアテ。 ダメヅマリ。 下手コスミ(アキ三角)。

2.着手の三善 
一間トビ。ポン抜き30目。ケイマのツケヌケ(ツケコシ)。

但し、双方とも、8割は額面通りで、2割は逆が正しい


盤全体に配慮


1.攻めは弱い石にするがもし活きている石を巧みに攻められたら最高。

2.形勢判断。単なる地の計算ではない。石の形・姿に不備はないか。


1.布 石


「今、
どこを打つか」

その連続です。

布石・・布石は碁の土台です。一に空き隅・二にシマリ。三にヒラキ

A 石の方向
 弱い石に最大の注意を払うこと。
弱い石から弱い石へ眼を向けるのが極意。

強い石の傍はいつでもどこでも価値が低い。
何故かというと石は相手に脅威を与えなければならないのに、
危険な石が無いからである。

脅威の無い石はムダであり意味が無い。その意味で、
自分の弱いところから相手の弱いとことへ向かう場所がベスト。

B 立体感
立体感の模様。

三線は敗線は空論となった。

  C 隅の大きさ  
一線を制する。

三々は一着で両一線を占有できる盤中の特異点。
一着の価値は全局どこでも13目。三々だけ20目。

しかも、隅はもう減らない確定値。

 D 定石
定石は布石の一部分です。

布石の流れに添うて、石が接触していきます。
隅の石の応接は古来から研究されてきました。
それを定石と呼びます。

定石は、ギリギリの最小限の石数で、変化のサンプルで
筋と形の宝庫でもあります。

とはいえ、定石も生きもの。日ごと進化しています。




2.中 盤

 

 中盤の花形はキリ。

  A キリ  
「碁はキリにあり」と、細川千仞。キルことはツナグこと。

 B  先手  
先手と後手。又後の先。また、手抜きと間に合わせ。

 C 死活
碁のベース。「碁は盤中詰めもの」とは橋本宇太郎。

 D 戦い
大場よ急場。弱い石の処置は要石かカス石かの判断。

E 戦い
押さば押せ。やたら攻めはダメ。手抜きで転戦を主導。

F 石の動き
間トビに悪手なし。 攻めはケイマ。 眼形はコスミ。

G 筋と形
「確かな形」・・・「本筋と俗筋」「形に就く」「形が崩れる」

H コウ
絶対コウ。死活のコウ。シノギのコウ。二段コウ。



3.終 盤


 
 
 
ヨセに入ると急に二線が急浮上


A 大ヨセで碁を制す


ヨセに入ってから、最低20目は違ってくる。


B ヨセも力なり


死活がらみで闘いながらしかヨセは打てない。

 
C 先手のヨセ。


両先手は最大。 アジ消しにならないよう。 


E 計算のヨセ。


大きいとこから打つ。見合いのヨセ